一般貨物自動車運送事業では、営業所を移転する際に「変更認可申請」が必要になるケースがあります。
一方で、すべての営業所移転が変更認可となるわけではなく、移転先によっては「変更届出」で足りる場合もあります。
「変更認可と変更届出の違いがよく分からない」「どちらの手続きになるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、一般貨物自動車運送事業における営業所変更認可の制度や、変更届出との違い、変更認可が必要となるケースについて行政書士が解説します。
営業所変更認可とは?

一般貨物自動車運送事業では、営業所は許可を受けた事業計画の一部となっています。
そのため、営業所の所在地を変更する場合には、事前に運輸局の変更認可を受けなければなりません。
一般貨物自動車運送事業者は、事業計画の変更(第三項に規定するものを除く。)をしようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。「貨物自動車運送事業法9条」
営業所の所在地は事業計画の重要な構成要素であるため、移転は「事業計画の変更」に該当し、変更認可が必要となります。
つまり、営業所の移転は「住所変更」ではなく、「事業計画の変更」として扱われるのです。
しかし、すべての営業所の移転において認可申請が必要となるわけではありません。
営業所移転で変更届出で済むケースがある
営業所を移転する場合は、原則として変更認可が必要ですが、すべての移転が変更認可となるわけではありません。
貨物自動車運送事業法第9条第3項では、国土交通省令で定める軽微な事項については認可ではなく届出で足りると規定されています。
貨物自動車運送事業法施行規則第7条第1項第3号には、営業所の位置の変更(地方運輸局長が指定する区域内におけるものに限る)を軽微な変更と定めています。
近畿運輸局では、この指定区域は実務上、市町村などの最小行政区画とされています。
そのため、例えば、
- 大阪市内での営業所移転
- 堺市内での営業所移転
- 岸和田市内での営業所移転
など、同一の最小行政区画内で営業所を移転する場合は、変更認可申請ではなく変更届出で足りるケースがあります。
一方で、大阪市から堺市、堺市から和泉市など、最小行政区画をまたぐ営業所移転は事業計画の重要な変更となるため、原則として変更認可が必要です。
ただし、実際に変更届出で対応できるかどうかは個別の事案によって異なるため、移転前に運輸支局や行政書士へ確認することをおすすめします。
変更認可と変更届出の違い
| 項目 | 変更認可 | 変更届出 |
|---|---|---|
| 手続き | 認可申請 | 届出 |
| 審査 | あり | 原則なし |
| 営業所を移転できる時期 | 認可後 | 届出後 |
| 標準的な処理期間 | 約2〜3か月 | 比較的短期間 |
| 主なケース | 最小行政区画をまたぐ移転 | 最小行政区画内の移転 |
最も大きな違いは、「運輸支局による審査があるかどうか」です。
変更認可では、営業所の要件や提出書類について審査が行われ、認可を受けるまでは新しい営業所で営業することはできません。
一般的には、変更認可申請を出してから審査期間が3ヶ月程度かかるため、余裕をもったタイムスケジュールでの申請が必要となります。
変更認可が必要か判断に迷うケース

変更認可か変更届出か判断に迷うケースもあります。
例えば、
- 政令指定都市での営業所移転
- 行政区域の境界付近への移転
- 営業所と車庫を同時に変更するケース
- 営業所の統廃合を伴うケース
などです。
特に、政令指定都市には行政区(区)が設置されていますが、行政区は最小行政区画には該当しません。
例えば、堺市西区から堺市北区へ営業所を移転する場合は、区をまたぐ移転ではあるものの、市町村としては同じ「堺市」内での移転となるため、最小行政区画内の移転として取り扱われます。
一方で、堺市から大阪市へ移転する場合は、市町村をまたぐ移転となるため、原則として変更認可が必要になります。
実際の手続きは、営業所の移転内容や事業計画の変更内容によって判断が異なる場合もありますので、不明な場合は事前に管轄の運輸支局へ確認するか、運送業に詳しい行政書士へ相談することをおすすめします。
営業所変更認可で注意すべきポイント
営業所変更認可では、手続きの種類だけでなく、移転先が営業所として認められるかどうかも重要です。
例えば、
- 用途地域
- 市街化調整区域
- 使用権限
- 車庫との距離
- 営業所の設備
などについて確認する必要があります。
これらについては別記事で詳しく解説していますので、営業所移転をご検討の方は併せてご覧ください。
行政書士へ依頼するメリット
変更認可と変更届出を誤ってしまうと、手続きのやり直しや営業開始時期の遅れにつながる可能性があります。
行政書士へ依頼することで、
- 変更認可と変更届出の要否判断
- 必要書類の作成
- 運輸支局との事前相談
- 変更認可申請の代行
まで一括してサポートを受けることができます。
特に営業所を契約する前に相談いただくことで、「契約したのに認可が下りない」といったリスクを未然に防ぐことができます。
まとめ
営業所変更認可とは、一般貨物自動車運送事業の営業所を移転する際に必要となる事業計画変更認可です。
ただし、営業所の移転が最小行政区画内であれば、変更認可ではなく変更届出で対応できるケースがあります。
どちらの手続きが必要になるかは、営業所の移転先や事業計画の内容によって異なります。
判断を誤ると営業開始時期に影響することもあるため、営業所移転を検討されている場合は、契約前の段階で確認しておくことをおすすめします。
大阪府で営業所変更認可・変更届出をご検討ならご相談ください
勝浦行政書士事務所では、大阪府内の一般貨物自動車運送事業における営業所変更認可申請および営業所変更届出に対応しております。
営業所移転が変更認可になるのか、変更届出で足りるのかの判断から、必要書類の作成、運輸支局との事前相談、申請・届出までサポートいたします。
「この移転は変更認可が必要?」「契約前に確認してほしい」といったご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。





