警備会社を開業するためには、公安委員会から警備業の認定を受ける必要があります。
これから警備会社を設立しようと考えている方の中には、「警備業の認定を受けるためには、一定以上の資本金が必要なのでは?」「銀行口座に一定額以上の預金がないと認定されない?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
許認可の種類によっては、一定以上の自己資金や純資産などが要件となっているものもあります。
しかし、警備業の認定には、一定額以上の資本金や預金残高を求める財産要件はありません。
この記事では、警備業認定における財産要件や資本金、預金残高などについて解説します。
警備業認定に財産要件はない

結論からいうと、警備業の認定を取得するために「○○万円以上の資金が必要」といった財産要件は定められていません。
警備業法第3条では、警備業を営むことができない者について欠格事由が定められており、第4条では、警備業を営もうとする者は、この欠格事由に該当しないことについて公安委員会の認定を受けなければならないとされています。
この欠格事由の中には、一定額以上の資本金や自己資金を保有していることを求める規定はありません。
そのため、
- 資本金○○万円以上
- 自己資金○○万円以上
- 預金残高○○万円以上
- 純資産○○万円以上
といった基準を満たさなければ警備業の認定を受けられない、という制度にはなっていません。
例えば、一般貨物自動車運送事業の許可では、事業開始に必要となる資金を確保していることが審査されます。
警備業認定については、このような一定の事業資金を確保していることを直接の認定要件とする仕組みではありません。
警備会社の資本金はいくら必要?
株式会社を設立して警備業を始める場合、「資本金はいくらにすればよいのか」という疑問も出てくるでしょう。
警備業法上は、警備業の認定を受けるための最低資本金額は定められていません。
したがって、資本金が少ないという理由だけで警備業の認定を受けられないわけではありません。
会社法上も現在は株式会社について最低資本金制度がないため、制度上は資本金1円で株式会社を設立することも可能です。
「警備業認定を取得するには資本金○○万円以上必要」という考え方ではありません。
しかし、認定を取得できることと、実際に警備会社を運営できることは別の問題です。
警備業を開始すると、人件費や制服・装備品など、さまざまな費用が発生します。
そのため、資本金を極端に少なく設定するのではなく、実際の事業計画を考えたうえで資本金を決めることが大切です。
警備業認定に残高証明書は必要?

財産要件がある許認可では、自己資金を証明するために金融機関が発行する残高証明書などの提出を求められることがあります。
しかし、警備業認定には一定額以上の預金を保有するという財産要件がないため、資金要件を証明する目的で銀行の残高証明書を提出する仕組みにはなっていません。
警備業法第5条では、認定申請書に記載する事項として、申請者の氏名・名称、営業所、取り扱う警備業務の区分、警備員指導教育責任者、法人の場合は役員などが規定されています。
大阪府警察が公開している警備業関係の申請様式でも、認定申請について認定(認定更新)申請書や所定の誓約書などが案内されています。
したがって、「預金が少ないから警備業認定を取得できないのではないか」と過度に心配する必要はありません。
財産要件はないが「破産」に関する欠格事由には注意
ここで注意したいのが、警備業認定には財産要件がない一方で、破産に関する欠格事由が設けられていることです。
警備業法第3条第1号では、
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
について、警備業を営むことができないと定めています。
つまり、「資産がいくらあるか」という財産要件と、「破産手続開始の決定を受けて復権を得ているか」という欠格事由は別の問題です。
単純に、「預金が少ない」「資本金が少ない」「会社の業績が赤字である」というだけで、この欠格事由に該当するわけではありません。
一方、破産手続開始の決定を受け、まだ復権を得ていない場合には、警備業法上の欠格事由に該当する可能性があります。
法人で警備業認定を申請する場合には、法人そのものだけではなく、役員についても欠格事由の確認が必要になる点にも注意しましょう。警備業法第3条では、法人の役員の中に一定の欠格事由に該当する者がいる場合も規定されています。
財産要件がなくても開業資金は必要

警備業認定に財産要件がないからといって、ほとんど資金を用意せずに警備会社を開業できるという意味ではありません。
実際に警備業を始めるためには、事業内容によってさまざまな費用が発生します。
例えば、
- 会社設立費用
- 営業所の賃料や保証金
- 事務用品・通信設備
- 警備員の制服
- 護身用具や装備品
- 車両費
- 採用費
- 警備員の人件費
- 社会保険料
- 各種保険料
などが考えられます。
特に注意したいのが人件費です。
警備会社では、取引先から警備料金が入金されるより先に、警備員への給与支払いが発生することがあります。
警備員の人数が増えれば、それだけ毎月必要となる運転資金も大きくなります。
そのため、警備業法上の財産要件がないからといって、資金計画を考えなくてもよいわけではありません。
「認定を取得するために必要な資金」と「警備会社を安定して経営するために必要な資金」は分けて考える必要があります。
まとめ
警備業の認定には、一定額以上の資本金や自己資金、預金残高を求める財産要件はありません。
そのため、「資本金が少ないから警備業認定を取得できない」「一定額以上の預金がなければ申請できない」といった制度ではありません。
一方で、警備業法には「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」などの欠格事由が定められているため、財産要件とは分けて考える必要があります。
また、認定上の財産要件がなくても、実際に警備会社を経営するには、人件費や営業所費用、制服・装備品などの資金が必要です。
これから警備会社を設立する場合は、資本金の額だけでなく、警備員指導教育責任者を選任できるか、役員が欠格事由に該当していないかなど、警備業認定の要件を会社設立前から確認しておくことが大切です。
警備業認定の要件について判断が難しい場合や、会社設立前に認定取得が可能か確認しておきたい場合は、警備業の手続に詳しい行政書士などの専門家へ相談しながら準備を進めるのも一つの方法です。
大阪府で警備業認定をご検討の方へ
勝浦行政書士事務所では、大阪府の警備業認定申請に対応しております。
代表行政書士は警備業界で15年以上の実務経験があり、警備員指導教育責任者資格者証(1号・4号)を保有しています。
警備業の制度や実務を理解した行政書士として、
- 営業所の要件確認
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までトータルで対応しております。
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