「警備会社を始めたいけれど、何人くらい必要なのだろう?」
「大手の警備会社のように多くの警備員を雇わなければ開業できないのでは?」
警備会社というと、多くの警備員を抱えて営業するイメージがあるため、開業するにはある程度の人数が必要だと思われる方もいるかもしれません。
しかし、警備業の認定を受けるために「警備員を○人以上雇用しなければならない」という最低人数の要件はありません。
そのため、最初から大規模な組織を作る必要はなく、小規模な警備会社としてスタートすることも可能です。
ただし、警備業を始めるためには、公安委員会の認定を受けるだけでなく、警備員指導教育責任者の選任や警備員教育など、警備業法に定められた体制を整える必要があります。
この記事では、警備会社を小規模で開業する場合の人数や、開業前に知っておきたい注意点について解説します。
警備会社の開業に最低人数の決まりはない

結論からいうと、警備業法には、警備会社を開業する際の最低従業員数について「○人以上必要」といった規定はありません。
一般貨物自動車運送事業のように、事業開始時に一定数以上の車両を確保することが許可要件となっている事業もありますが、警備業については「警備員を10人以上雇用しなければならない」といった規模に関する要件は設けられていません。
そのため、
- 数名程度の警備員からスタートする
- 代表者自身も現場に出る
- 最初は対応できる案件を絞って営業する
といった形で、小規模から警備会社を立ち上げることも可能です。
警備業を営むためには、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の認定を受けなければなりません。
人数より重要なのが「警備員指導教育責任者」
警備会社を始める場合、特に重要となるのが警備員指導教育責任者です。
警備業法では、原則として営業所ごと、さらにその営業所で取り扱う警備業務の区分ごとに、警備員指導教育責任者を選任することが求められています。
警備業務は、次の4つの区分に分けられています。
- 1号警備:施設警備、巡回警備、保安警備など
- 2号警備:交通誘導警備、雑踏警備など
- 3号警備:貴重品運搬警備、核燃料物質等危険物運搬警備など
- 4号警備:身辺警備(いわゆるボディーガード)など
例えば、交通誘導警備を行う会社であれば、2号警備業務に対応した警備員指導教育責任者資格者証を持つ人を選任する必要があります。
施設警備と交通誘導警備の両方を取り扱うのであれば、原則として1号と2号それぞれについて警備員指導教育責任者が必要です。ただし、一人の人が1号・2号の両方の資格者証を持っている場合には、その人が両方の区分を担当することも可能です。
そのため、小規模で開業する場合は、「何人集めるか」よりも「誰を警備員指導教育責任者として選任するか」から考えることが重要です。
警備員指導教育責任者については、こちらの記事でも解説しています。
代表者が警備員指導教育責任者になることも可能

警備員指導教育責任者は、必ずしも代表者とは別の従業員を雇用して選任しなければならないわけではありません。
代表者自身が必要な資格者証を持ち、専任性などの要件を満たしていれば、代表者自身を警備員指導教育責任者として選任することも可能です。
小規模な警備会社では、
代表者=経営者=警備員指導教育責任者
という体制でスタートすることも考えられます。
警察庁の解釈運用基準では、「専任」とは、その営業所に常勤して警備員指導教育責任者の業務に従事できる状態にあることとされています。
一方で、警備員指導教育責任者の仕事だけに専従する必要まではなく、その業務に支障がない範囲で警備業務や営業所のその他の業務に従事することも認められています。
したがって、小規模な警備会社では、代表者が警備員指導教育責任者として警備員の教育や指導を行いながら、経営や営業などを担当することも可能です。
小規模で警備会社を始めるメリット
警備会社は、最初から何十人もの警備員を採用してスタートする必要はありません。
むしろ、開業当初は小規模でスタートすることにもメリットがあります。
人件費を抑えられる
警備会社を経営するうえで大きな負担となるのが人件費です。
警備員を多数採用すれば、それだけ給与や社会保険料などの固定費も増えていきます。
開業直後は安定して案件を確保できるとは限らないため、最初から大人数を雇用すると資金繰りが厳しくなる可能性があります。
受注状況に合わせて徐々に警備員を増やしていく方法も検討するという選択肢もあります。
管理体制を作りやすい
警備会社には、警備員に対する教育や指導、各種法定書類の作成・保存など、警備業法に基づいた適切な管理が求められます。
開業当初から人数が多くなると、それだけ管理業務も増えてしまいます。
小規模からスタートすれば、警備員教育や書類管理などの社内体制を整えながら、徐々に事業規模を拡大していくことができます。
一人だけで警備会社を開業できる?

「最低人数の決まりがないのであれば、一人だけでも警備会社を開業できるのでは?」と考える方もいるでしょう。
警備業法では、認定を受けるために「従業員○人以上」「警備員○人以上」といった最低人数は定められていません。
そのため、代表者自身が必要な区分の警備員指導教育責任者資格者証を持っており、その他の認定要件も満たしていれば、一人で警備会社の認定を受けることも可能です。
例えば、代表者自身を警備員指導教育責任者として選任し、経営や営業を行いながら、自ら警備員として現場に出るといった小規模なスタートも考えられます。
ただし、「一人で認定を受けられること」と「一人で無理なく警備会社を運営できること」は別の問題です。
警備会社を運営するためには、営業活動や現場での警備業務だけでなく、警備員教育や法定書類の作成・管理など、警備業法に基づいて行わなければならない業務があります。
一人で開業する場合、経営・営業・教育・管理・現場業務まで自分で担当することになるため、受注する案件によっては負担が大きくなります。
また、複数人の配置を求められる現場や、同じ時間帯に複数の現場から依頼があった場合には、一人では対応できません。
そのため、開業時の人数を考える際は、「認定を受けるために最低何人必要なのか」だけではなく、予定している警備業務を実際に何人で行う必要があるのかまで考えておくことが大切です。
まずは一人または少人数でスタートし、受注する案件や事業規模に合わせて警備員を増やしていく方法も選択肢の一つです。
まとめ
警備業の認定を受けるのには、「警備員○人以上」といった最低人数の要件はありません。
そのため、数名程度の小規模な警備会社としてスタートし、受注状況に合わせて徐々に人員を増やしていくことも可能です。
警備業を始めるためには公安委員会の認定が必要となり、営業所や取り扱う警備業務の区分に応じた警備員指導教育責任者の選任など、警備業法上の要件を満たさなければなりません。
「少人数だから認定も簡単」というわけではない点には注意が必要です。
特に小規模で開業する場合は、代表者が警備員指導教育責任者を兼ねるのか、どの警備業務からスタートするのかなどによって、必要な準備も変わってきます。
警備会社の開業を検討しているものの、「この人数・体制で認定を受けられるのか分からない」「警備員指導教育責任者の要件を満たしているか確認したい」という場合は、会社設立や物件契約を進める前に、警備業認定に詳しい行政書士などの専門家へ相談しておくと安心です。
大阪府で警備業認定をご検討の方へ
勝浦行政書士事務所では、大阪府の警備業認定申請に対応しております。
代表行政書士は警備業界で15年以上の実務経験があり、警備員指導教育責任者資格者証(1号・4号)を保有しています。
警備業の制度や実務を理解した行政書士として、
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