一般貨物自動車運送事業|運行管理者・整備管理者が変わったら手続きが必要です

一般貨物自動車運送事業|運行管理者・整備管理者が変わったら手続きが必要です

一般貨物自動車運送事業では、営業所ごとに一定の要件を満たす運行管理者・整備管理者を選任する必要があります。

許可を取得するときには、運行管理者・整備管理者の資格や要件をしっかり確認していても、許可取得後の変更手続きについては意外と忘れられがちです。

例えば、

  • 運行管理者が退職した
  • 整備管理者が別の営業所へ異動した
  • 新しい運行管理者へ交代した
  • 複数の運行管理者のうち1人が退職した

といった場合には、必要な人員を確保するだけでなく、運輸支局への届出も必要になります。

この記事では、一般貨物自動車運送事業の運行管理者・整備管理者が変更になった場合の手続きや、届出を放置してしまった場合のリスクについて解説します。

目次

運行管理者が変わった場合の手続き

運行管理者が退職・異動などによって交代した場合は、前任者を解任し、新しい運行管理者を選任することになります。
そして、運行管理者を選任または解任した場合には、管轄の運輸支局へ届出が必要です。

貨物自動車運送事業者の場合、運行管理者の選任・解任の届出は、遅くとも1週間以内に行う必要があります。

例えば、「人事異動で4月1日付けで運行管理者が変わった」といった場合、その日から概ね1週間以内に変更届を提出する必要があります。

「次の事業報告のときにまとめて報告すればよい」という手続きではありません。
運行管理者の選任届を提出する際には、原則として運行管理者資格者証の写しも必要になります。

整備管理者が変わった場合の手続き

整備管理者についても、退職や異動などによって担当者が変わった場合には手続きが必要です。

整備管理者を新たに選任した場合や届出事項に変更があった場合は、原則としてその日から15日以内に管轄の運輸支局へ届け出ます。

新しい整備管理者については、誰でも選任できるわけではありません。

整備管理者になるには、主に次のような方法で資格要件を満たす必要があります。

  • 一定の実務経験があり、整備管理者選任前研修を修了している
  • 一定の自動車整備士資格を保有している

特に注意したいのが、自動車整備士資格を持たない方を、実務経験によって整備管理者に選任する場合です。
この場合、原則として整備管理者選任前研修を修了している必要があります。

選任前研修はいつでも受講できるわけではなく、開催日程や定員が決められており、募集開始後すぐに定員に達してしまうこともあります。

そのため、現在の整備管理者が退職することになってから慌てて後任者を探すと、資格要件は満たしていても「選任前研修を受講できていないため、すぐには整備管理者として選任できない」ということも考えられます。

整備管理者の退職や異動が予定されている場合は、できるだけ早い段階で後任者が選任要件を満たしているか、選任前研修の受講が必要かまで確認しておくことが大切です。

手続きを放置していた場合のリスク

運行管理者や整備管理者が変更になったにもかかわらず、届出を行わずに放置することは避けなければなりません。

問題となるのは、単なる「書類の出し忘れ」だけではありません。
手続きを放置してしまった場合のリスクには次のものが考えられます。

実際の管理体制と届出内容が一致しなくなる

前任の運行管理者がすでに退職しているにもかかわらず解任届を提出していなければ、運輸支局へ届け出ている内容と実際の管理体制にズレが生じます。

整備管理者についても同様です。

事業者として、現在誰が安全管理を担当しているのかを適切に管理しておく必要があります。

必要な管理者が不在になる可能性がある

より注意しなければならないのが、届出を忘れているだけではなく、実際に必要な運行管理者・整備管理者が選任されていない状態になっているケースです。

例えば、唯一の運行管理者が退職した後、「とりあえず別の社員が点呼をしている」という状態で営業を続けることは適切ではありません。

必要な管理者を選任していない状態は、単なる届出漏れとは問題の大きさが異なります。

監査などで指摘される可能性がある

一般貨物自動車運送事業者は、許可を取得して終わりではありません。

許可後も運行管理、点呼、車両管理、労務管理などについて適切な体制を維持する必要があります。

そのため、監査等において運行管理者・整備管理者の選任状況や届出状況が確認され、法令違反があれば指摘や行政処分等につながる可能性があります。

「届出を忘れていただけだから大丈夫」と考えず、変更があった時点で速やかに手続きを行うことが重要です。

運行管理者を選任していない状態は重大な法令違反

貨物自動車運送事業法では、運行管理者を選任しなかった場合、150万円以下の罰金の対象となります。

また、刑事罰だけでなく行政処分にも注意が必要です。

国土交通省の行政処分基準では、監査時に特段の理由もなく「運行管理者が全く不在(選任なし)」であることが確認された場合、原則として30日間の事業停止処分(または車両使用停止処分)の対象とされています。

「不選任」と「届出忘れ」は違う

ここで区別しておきたいのが、次の2つです。

  • 有資格者を運行管理者として選任していたが、運輸支局への選任・解任届を提出していなかった
  • そもそも必要な運行管理者を選任していなかった

前者は届出義務違反、後者は運行管理者の不選任となり、違反の内容が異なります。

運行管理者の選任・解任について「届出を出し忘れていた」という場合でも、法律上は100万円以下の罰金の対象(貨物自動車運送事業法第76条)となります。

一方、国土交通省の行政処分基準では、運行管理者の選任・解任の未届について、初違反の場合は「警告」とされています。
参考資料:貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について 別表
そのため、単純な届出漏れで直ちに罰金刑・事業停止処分になるというケースは稀かもしれません。

ただし、注意したいのは、本当に「届出を忘れていただけ」なのかを確認できる状態にしておく必要があるという点です。

例えば、前任の運行管理者が退職した後、新しい有資格者を運行管理者として選任していたものの、届出だけを忘れていたのであれば、その期間について新任者が実際に運行管理者として選任され、業務を行っていたことを説明できる資料が重要になります。

反対に、選任した事実や時期を確認できず、実際に誰が運行管理者として業務を行っていたのかも明確でない場合には、単なる届出漏れではなく、運行管理者が不在であったと判断される可能性があります。

「届出を忘れていただけ」と「運行管理者を選任していなかった」では、行政処分上の扱いも大きく異なります。

運行管理者に変更があった場合は、社内で後任者を決めるだけで終わらせず、選任・解任の事実を明確にしたうえで、期限内に運輸支局へ届け出ることが重要です。

まとめ

一般貨物自動車運送事業では、運行管理者や整備管理者が退職・異動などによって変わった場合、管轄の運輸支局への届出が必要になります。

特に注意したいのは、社内で後任者を決めただけでは行政上の手続きは完了していないという点です。

運行管理者は貨物事業者の場合、選任・解任から遅くとも1週間以内、整備管理者は選任や届出事項の変更から原則15日以内に手続きを行います。

退職や人事異動があったときは、「運行管理者・整備管理者に変更はないか」を必ず確認するようにしましょう。

また、過去の変更届を提出していなかったことが判明した場合も、そのまま放置せず、現在の状況や変更時期を整理したうえで早めに対応することが重要です。

大阪府で運行管理者・整備管理者の変更手続きにお困りの方へ

一般貨物自動車運送事業では、許可取得後にもさまざまな変更手続きが発生します。

特に運行管理者や整備管理者の変更は、人事異動や退職に伴って突然必要になることもあり、

「何を提出すればいいのか分からない」
「届出期限を過ぎてしまった」
「ほかにも変更届を忘れていないか心配」

といったご相談もあります。

変更手続きに不安がある場合は、現在の状況を整理したうえで、運送業の手続きに詳しい行政書士へ相談する方法もあります。

許可を維持していくためには、許可を取ることだけでなく、許可取得後の変更を適切に届け出ていくことも大切です。

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