警備業認定の人的要件とは?申請前に確認したい資格・人員の条件

警備業認定の人的要件とは?申請前に確認したい資格・人員の条件

警備会社を開業するためには、都道府県公安員会から警備業の認定を受ける必要があります。
認定申請というと、営業所や必要書類などに目が向きがちですが、特に重要なのは「人的要件」です。

警備業では、単に会社を設立して警備員を採用すれば営業を始められるわけではありません。

代表者や役員などが警備業法上の欠格事由に該当していないことに加えて、営業所ごと・取り扱う警備業務の区分ごとに、原則として警備員指導教育責任者を選任できる体制を整える必要があります。

人的要件を満たせなければ、他の要件や必要書類が揃っていたとしても、警備業の認定を受けることはできません。

そこでこの記事では、これから警備会社を開業する方に向けて、警備業認定における人的要件について詳しく解説します。

目次

警備業認定における人的要件とは

警備業認定における人的要件は、大きく分けると次の2つのポイントを確認しておく必要があります。

  • 申請者や法人の役員などが警備業法上の欠格事由に該当していないこと
  • 必要な警備員指導教育責任者を選任できること

警備業法第3条では、一定の条件に該当する者は警備業を営むことができないと定められています。

また、警備員指導教育責任者についても、単に資格を持っている人が会社のどこかに一人いればよいというものではありません。

営業所と取り扱う警備業務の区分に合わせて適切に配置することが重要です。

そのため、警備会社の開業を検討するときは、物件探しや法人設立と並行して、人的要件を早い段階で確認しておくことをおすすめします。

代表者や役員には欠格事由がある

警備業法第3条では、警備業を営むことができない者について定めています。

例えば、次のようなものがあります。

  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない者
  • 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者
  • 一定の刑に処せられ、所定の期間を経過していない者
  • 最近5年間に警備業法違反など一定の重大な不正行為をした者
  • 一定の暴力的不法行為を行うおそれがあると認められる者
  • 暴力団対策法に基づく一定の命令・指示を受け、所定の期間を経過していない者
  • アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
  • 心身の障害により警備業務を適正に行うことができない者として定められた者

などです。

個人で警備業を始める場合は、申請者本人について確認されます。
一方、法人の場合は代表取締役だけを確認すればよいわけではありません。

警備業法では、法人の役員のうちに一定の欠格事由に該当する者がいる場合、その法人は警備業を営むことができないとされています。

そのため、会社を設立してから「役員の一人が欠格事由に該当していた」ということにならないよう、法人設立や役員構成を決める段階で確認しておくことが重要です。

警備員指導教育責任者の選任が必要

警備業認定の人的要件を考えるうえで、特に重要なのが警備員指導教育責任者です。

警備員指導教育責任者とは、その名のとおり、警備員に対する指導や教育などを行う責任者です。

警備業法第22条では、警備業者は、原則として営業所ごと、さらにその営業所で取り扱う警備業務の区分ごとに、資格者証の交付を受けている者の中から警備員指導教育責任者を選任しなければならないとされています。

警備業務は、大きく次の4つに区分されています。

1号警備
施設警備、巡回警備、保安警備、空港保安警備など

2号警備
交通誘導警備、雑踏警備など

3号警備
現金や貴重品などの運搬警備

4号警備
身辺警備(いわゆるボディーガードなど)

警備員指導教育責任者資格者証も、この警備業務の区分ごとに交付されます。
したがって、これから行おうとする警備業務に対応した資格者を確保することが必要です。

認定を取ってから資格者を探すことはできる?

「まず警備業の認定を取って、その後に警備員指導教育責任者を採用すればよいのでは?」と考える方もいるかもしれません。

しかし、基本的にこの考え方では認定申請を進めることはできません。

警備業法第5条では、認定申請書に、営業所ごと・取り扱う警備業務の区分ごとに選任する警備員指導教育責任者の氏名・住所を記載することになっています。

さらに警察庁の解釈運用基準では、認定するか否かを判断する時点で、指導教育責任者として選任しようとする者を具体的に決めていない場合や、その者が当該営業所に勤務することが到底期待できない場合などは、警備業法第3条第9号に該当する場合として示されています。

警備業法第3条は、警備業を営むことができない者、いわゆる「欠格事由」を定めた規定です。

つまり、警備員指導教育責任者を適切に選任できる体制が整っていなければ、警備業の認定申請を行っても、認定を受けることができません。

そのため、「認定が下りてから資格者を探す」のではなく、「資格者を確保してから認定を申請する」という順番で準備することが必要です。

代表者自身が警備員指導教育責任者になることも可能

小規模な警備会社を開業する場合、代表者とは別に警備員指導教育責任者を雇わなければならないと思われることがあります。

しかし、代表者と警備員指導教育責任者を必ず別人にしなければならないというわけではありません。

代表者自身が取り扱う警備業務区分の警備員指導教育責任者資格者証を持ち、実際にその営業所で責任者として職務を行える体制であれば、代表者自身を警備員指導教育責任者として選任することも可能です。

小規模な会社や個人事業主の場合、代表者自身が資格を取って指導教育責任者を兼ねるケースは多く認められています。

警備員指導教育責任者をこれから取得する場合

開業予定者自身が警備員指導教育責任者資格者証を取得し、その後に警備業認定を申請する方法もあります。

ただし、資格者証は希望すればすぐに取得できるものではありません。

警備員指導教育責任者講習を受講するためには一定の受講資格があり、講習を修了した後、資格者証の交付申請を行う必要があります。

指導教育責任者の新規講習受講要件
  • 最近5年間で該当区分の警備業務に3年以上従事した者
  • 該当区分の警備員検定1級合格者
  • 該当区分の警備員検定2級取得後、継続して1年以上従事した者

また、講習の日程や定員もあります。
大阪府警察でも1号から4号まで区分ごとに警備員指導教育責任者講習が実施されています。

「○月から警備会社を始めたい」と考えていても、必要な資格者を確保できていなければ、予定どおり認定申請に進めない可能性があります。

自分で資格を取得して開業する場合は、資格取得に必要な期間も含めて開業スケジュールを考えておくことが重要です。

まとめ

警備業認定では、人的要件を満たしていることが重要です。

特に確認しておきたいのが、申請者や役員などが欠格事由に該当していないことと、営業所・警備業務区分に応じた警備員指導教育責任者を選任できることです。

警備員指導教育責任者は、原則として営業所ごと・取り扱う警備業務の区分ごとに必要となるため、「資格者が一人いるから大丈夫」とは限りません。

特に複数の警備業務区分を取り扱う場合や、複数の営業所を設置する場合には注意が必要です。

人的要件を満たしていないことが申請直前に判明すると、開業予定そのものが遅れてしまう可能性があります。

これから警備会社を開業する場合は、法人設立や営業所の契約を進める前に、「誰を警備員指導教育責任者として選任するのか」「どの警備業務区分で認定を受けるのか」まで具体的に決めておくことが、スムーズな認定取得につながります。

大阪府で警備業認定を検討している方へ

警備業の認定申請では、申請書を作成するだけでなく、申請前に「そもそも認定要件を満たしているのか」を確認することが重要です。

特に人的要件については、警備員指導教育責任者の資格区分や営業所との関係、役員の欠格事由など、事前に確認しておきたいポイントが複数あります。

「この人を警備員指導教育責任者として選任できるのか」
「1号と2号を始めたいが、今の資格者で足りるのか」
「代表者自身を責任者として開業できるのか」

など、開業準備の段階で判断に迷うケースも少なくありません。

勝浦行政書士事務所では、大阪府での警備業認定申請について、人的要件の確認から必要書類の作成、管轄警察署への申請までサポートしております。

代表行政書士自身も警備業界で15年以上の実務経験があり、警備員指導教育責任者資格者証(1号・4号)を保有しています。

「手続きだけではなく、警備業のこともわかる専門家に相談したい」という方は、開業準備の段階からお気軽にご相談ください。

公式ライン
目次