深夜営業ができない地域とは?用途地域をわかりやすく解説

深夜営業ができない地域とは?用途地域をわかりやすく解説

「バーを開業したい」
「居酒屋を深夜まで営業したい」
「飲食店営業許可は取れそうだけど、深夜営業はできるの?」

このようなご相談をいただくことがあります。

実は、深夜酒類提供飲食店営業開始届(いわゆる“深酒の届出”)は、どこでもできるわけではありません。

物件がどの地域にあるかによっては、そもそも深夜営業が認められていないケースがあります。

そして、その判断基準になるのが「用途地域」です。

しかし、不動産広告には「商業地域」「第一種住居地域」など専門用語が並び、初めて飲食店を開業する方にとっては非常にわかりづらいものです。

そこで今回は、

  • 深夜営業ができない地域とは?
  • 用途地域とは何か?
  • どの地域なら深夜営業が可能なのか?
  • 物件選びで注意すべきポイント

について、行政書士がわかりやすく解説します。

目次

用途地域とは?

用途地域とは、都市計画法によって定められている「その地域でどのような建物・営業を認めるか」を区分した地域のことです。

大きく分けて「住居系」「商業系」「工業系」の3系統があり、

  • 住宅を中心とした静かな地域
  • 商業施設が集まる地域
  • 工場が建てられる地域

などを分けるルールです。

飲食店営業や深夜営業についても、この用途地域が大きく関係してきます。

深夜営業とは?

ここでいう「深夜営業」とは、風俗営業法上の「深夜酒類提供飲食店営業」を指します。

飲食店営業における深夜とは、午前0時から午前6時までを意味します。
この時間帯に営業を行う飲食店は、「深夜酒類提供飲食店営業開始届(いわゆる深酒の届出)」が必要になる場合があります。

ただし、深夜まで営業するすべての飲食店が、必ず届出をしなければならないわけではありません。
例えば、以下のようなケースに該当する場合、深夜酒類提供飲食店営業開始届が必要になります。

深夜酒類提供飲食店営業開始届が必要なケース
  • お酒の提供をメインとしている
  • 午前0時から午前6時まで営業する
  • 深夜帯にも酒類を提供する

この要件に該当する場合、深夜酒類提供飲食店営業開始届を行う必要があります。

「24時間営業だから届出が必要」「お酒を出しているから必ず必要」というわけではなく、営業実態によって判断される点に注意が必要です。

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深夜営業ができない用途地域とは?

深夜酒類提供飲食店営業は、すべての用途地域で営業できるわけではありません。
特に注意が必要なのが、「住居系用途地域」です。

原則として深夜酒類提供飲食店営業が制限される地域

以下のような用途地域では、原則として深夜酒類提供飲食店営業を行うことができません。

  • 第1・2種低層住居専用地域
  • 第1・2種中高層住居専用地域
  • 第1・2種住居地域
  • 準住居地域
  • 田園住居地域

これらは、主に住宅環境を守るための地域です。

深夜営業自体が制限されている地域

都道府県の条例などにより、飲食店が深夜営業できないエリアが定められている場合があります。

例えば大阪府では、「大阪府生活環境の保全等に関する条例第98条」により、一定の住居系地域において、飲食店の深夜営業が制限されています。

具体的には、

  • 第1種・第2種低層住居専用地域
  • 第1種・第2種中高層住居専用地域
  • 第1種・第2種住居地域

などの地域では、原則として午前0時から午前6時まで、飲食店営業を行うことが制限されています。

この規制は、深夜酒類提供飲食店営業だけを対象にしたものではありません。

つまり、お酒の提供がメインかどうかに関係なく、飲食店営業そのものが深夜時間帯に制限される場合があるということです。

そのため、バーや居酒屋だけでなく、ラーメン店・カフェ・レストランなどであっても、物件の用途地域によっては深夜営業ができない可能性があります。

なお、第1種・第2種中高層住居専用地域や第1種・第2種住居地域については、主たる出入口が指定道路に面している場合など、例外的に規制対象外となるケースもあります。

そのため、深夜営業を前提に物件を契約する場合は、用途地域だけでなく、条例上の規制や道路条件もあわせて確認することが重要です。

深夜酒類提供飲食店営業が可能な地域

一方で、以下のような地域では深夜営業が可能です。

  • 近隣商業地域
  • 商業地域
  • 準工業地域
  • 工業地域

これらの地域は、深夜の営業が認められる商業・工業地域であり、深夜酒類提供飲食店も営業可能です。
ただし、工業系の中で「工業専用地域」は飲食店の出店はできません。

「第二種住居地域ならOK」と誤解されやすい

深夜営業の可否を調べていると、第二種住居地域について「条件によっては営業できる」と説明されていることがあります。

そのため、

「第二種住居地域なら深夜営業できるのでは?」
「飲食店が入っている物件だから問題ないのでは?」

と誤解されることがあります。

しかし、大阪府の場合は注意が必要です。

大阪府生活環境の保全等に関する条例第98条では、第1種・第2種住居地域などの住居系地域において、飲食店営業の深夜営業が制限されています。飲食店営業については、午前0時から午前6時までの営業が規制対象です。

つまり、第二種住居地域だからといって、当然に深夜営業ができるわけではありません。

特に重要なのは、この規制が「深夜酒類提供飲食店営業」だけを対象にしているわけではないという点です。

一方で、第二種住居地域では、例外的に規制の対象外となるケースもあります。
たとえば、主たる出入口が国道や指定道路に面している場合などは、例外的に深夜営業の制限を受けない可能性があります。

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不動産屋さんが詳しいとは限らない

物件探しの段階で、

「この場所、深夜営業できますか?」

と不動産会社へ確認される方も多いですが、風営法や深夜営業の規制について、必ずしも詳しいとは限りません。

実際に、

  • 契約後に深夜営業不可と判明
  • 内装工事後に届出できないと発覚
  • 家賃だけ払い続ける状態になった

というケースもあります。

特にバーや居酒屋は、深夜営業できる前提で事業計画を立てていることが多いため、後から営業できないと大きな損失につながります。

まとめ|深夜営業は用途地域の確認が必須

深夜酒類提供飲食店営業は、どの地域でも自由にできるわけではありません。

特に住居系地域では制限があり、用途地域によっては届出自体ができないケースもあります。

また、

  • 「飲食店が多いから大丈夫」
  • 「不動産屋がOKと言っていた」
  • 「前の店舗もバーだった」

という理由だけで判断するのは危険です。

深夜営業の可否は、

  • 用途地域
  • 建物状況
  • 周辺施設
  • 条例
  • 風営法

などを総合的に確認する必要があります。

深夜酒類提供飲食店営業届出のサポートはお任せください

当事務所では、大阪府内の深夜酒類提供飲食店営業開始届について、

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