警備会社を開業するためには、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会から警備業の認定を受けなければなりません。
警備業認定申請では、認定申請書だけを提出すればよいわけではなく、申請者や法人役員、警備員指導教育責任者に関するさまざまな添付書類を準備する必要があります。
特に法人の場合は役員全員について書類が必要になるため、役員数が多い会社では準備する書類もかなりの量になります。
この記事では、警備業認定申請に必要となる書類について、法人・個人に分けてわかりやすく解説します。
警備業認定申請では多くの書類が必要
警備業認定申請に必要な書類は、大きく分けると次の3種類です。
- 認定申請書
- 申請者・法人に関する書類
- 警備員指導教育責任者に関する書類
法人の場合は、これに加えて法人そのものに関する書類と役員に関する書類が必要です。
大阪府警察でも、警備業の「認定(認定更新)申請書」は警備業法施行規則別記様式第1号として案内されています。
必要書類は警備業法施行規則に基づくものですが、実際に申請するときは、管轄する警察署への事前確認も行ったうえで準備することをおすすめします。
個人で警備業認定を申請する場合の必要書類

個人事業主として警備業を始める場合、主に次の書類を準備します。
- 認定申請書
- 履歴書
- 本籍地記載の住民票の写し
- 身分証明書
- 医師の診断書
- 指導教育責任者証の写し
- 誓約書
認定申請書
まず必要になるのが認定(認定更新)申請書です。
申請者の氏名・住所のほか、主たる営業所やその他の営業所、取り扱う警備業務の区分、選任する警備員指導教育責任者など、認定審査に必要な事項を記載します。
履歴書
申請者本人の履歴書を作成します。
警備業認定申請で使用する履歴書は、一般的な就職活動で使用するものではなく、申請者の経歴を確認するための書類です。また、使用する履歴書には所定の様式があるため、市販されている履歴書を使用するものではありません。
作成する際は、記載内容に空白期間が生じないよう、これまでの経歴を確認しながら正確に記載しましょう。
住民票の写し
申請者本人の住民票の写しを取得します。
住民票については、本籍地が記載され、マイナンバーが記載されていないものを準備するのが基本です。
外国人の場合には、国籍等が記載されたものが必要になります。
身分証明書
申請者本人の身分証明書も必要です。
ここでいう「身分証明書」とは、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類ではありません。
「身分証明書」は、禁治産・準禁治産、成年後見、破産の通知を受けていないことを証明する公的書類です。
本籍地の市区町村が発行する身分証明書を指します。
住民票は住所地の市区町村で取得できますが、身分証明書は本籍地の市区町村で取得するため、本籍地が遠方にある場合には取得に時間がかかることがあります。
申請直前になって慌てないよう、早めに確認しておきましょう。
医師の診断書
警備業法に定められた欠格事由に該当しないことを確認するため、医師の診断書を準備します。
通常の健康診断書を提出すればよいわけではなく、警備業認定申請に必要な事項について医師の診断を受ける必要があります。
大阪府警察のホームページでも、警備業関係の申請に使用する診断書の様式が公開されています。
専用の書式があるので、その書式で診断書を作成してもらうことが必要です。
医療機関を受診するときは、あらかじめ警備業認定申請に使用する診断書であることを伝え、所定の内容について診断を受けましょう。
誓約書
警備業法に定められている欠格事由に該当しないことを誓約する書類です。
大阪府警察でも警備業関係の誓約書の様式が公開されています。
申請者と警備員指導教育責任者が同じ場合
個人で警備業認定を申請する場合、申請者自身が警備員指導教育責任者の資格を持っていれば、申請者本人を警備員指導教育責任者として選任することも可能です。
この場合、申請者として必要になる履歴書や住民票などと、警備員指導教育責任者として必要になる書類の一部が重複します。
重複する書類の取扱いについては、都道府県警察によって案内の仕方が異なるため注意が必要です。
例えば北海道警察では、申請者と警備員指導教育責任者が同一人物の場合、履歴書・住民票・身分証明書・診断書については、それぞれ1通でよいと案内されています。
そのため、申請者と警備員指導教育責任者が同一人物で、重複する書類を省略できるかについては、実際に申請する都道府県の公安委員会や管轄警察署へ事前に確認しておくと安心です。
法人で警備業認定を申請する場合の必要書類

株式会社や合同会社などの法人で警備業を始める場合は、個人申請よりも必要書類が多くなります。
法人申請の場合、「法人申請に必要な書類」「役員に必要な書類」「指導教育責任者に必要な書類」の三種類の書類が必要となります。
- 認定申請書
- 定款
- 登記事項証明書
- 法人としての誓約書
- 履歴書
- 住民票の写し
- 身分証明書
- 医師の診断書
- 警備員指導教育責任者資格者証の写し
- 誓約書(指導教育責任者業務用の業務用と欠格用各1通)
- 履歴書
- 本籍地記載の住民票
- 身分証明書
- 医師の診断書(指導教育責任者用)
定款
法人の定款を準備します。
設立時に作成した定款から内容を変更している場合には、現在の法人の状況と一致しているか確認しておきましょう。
登記事項証明書
法人の登記事項証明書も必要です。
会社名、本店所在地、目的、役員などの登記事項が、現在の会社の状況と一致しているか確認しておくことが重要です。
例えば、役員変更を行っているにもかかわらず変更登記が完了していない場合などは、認定申請を行う前に整理しておく必要があります。
法人としての誓約書
法人について、警備業法に定められた欠格事由に該当しないことを誓約する書類を作成します。
個人申請用の誓約書とは異なるため、法人申請用の書式を使用することが必要です。
役員全員について必要となる書類
法人申請で特に注意したいのが、役員に関する書類です。
原則として、監査役を含む役員全員について、次の書類を準備します。
- 履歴書
- 住民票の写し
- 身分証明書
- 医師の診断書
「代表取締役の書類だけ準備すればよい」と考えてしまうことがありますが、そうではありません。
警備業法上の役員には、取締役だけでなく監査役なども含まれます。
そのため、役員が多い法人ほど取得しなければならない書類も増えます。
例えば役員が4人いる会社であれば、履歴書・住民票・身分証明書・診断書をそれぞれ4人分準備することになります。
法人で申請する場合は、最初に「誰について書類を準備しなければならないのか」を整理してから収集を始めるとスムーズです。
警備員指導教育責任者について必要な書類

警備業認定申請では、申請者や役員だけでなく、営業所に選任する警備員指導教育責任者に関する書類も必要です。
主に次の書類を準備します。
- 警備員指導教育責任者資格者証の写し
- 履歴書
- 住民票の写し
- 身分証明書
- 医師の診断書
- 欠格事由に該当しない旨の誓約書
- 業務を誠実に行う旨の誓約書
警備員指導教育責任者は、営業所ごと、かつ取り扱う警備業務の区分ごとに選任する必要があります。
例えば、1号警備業務を行うのであれば、その区分に対応した警備員指導教育責任者資格者証を持つ者を選任しなければなりません。
単に「警備員指導教育責任者の資格を持っている人がいる」というだけではなく、これから行おうとしている警備業務の区分と資格者証の区分が合っているかを確認しておくことが重要です。
必要書類はどこで取得する?

必要書類のうち、自分で作成するものだけでなく、役所や医療機関などから取得しなければならないものがあります。
認定申請書・誓約書・履歴書
→警視庁や各都道府県警察のHP
住民票の写し
→市区町村
身分証明書
→本籍地の市区町村
登記事項証明書
→法務局
医師の診断書
→医療機関
定款
→法人で保管している現行定款
となります。
特に注意したいのが身分証明書です。
現在住んでいる市区町村ではなく、本籍地の市区町村から取得する書類であるため、役員全員の本籍地が異なる法人では、それぞれ取得手続きを行う必要があります。
役員数が多い法人では、必要書類の収集だけでもある程度の日数を見込んでおいた方がよいでしょう。
まとめ
警備業認定申請では、申請者本人や法人だけでなく、役員や警備員指導教育責任者についても多くの書類を準備する必要があります。
特に法人申請では役員全員の書類が必要になるため、役員数によっては準備に時間がかかります。
まずは、
① 認定要件を確認する
② 必要となる人物・書類を整理する
③ 住民票や身分証明書、診断書などを取得する
④ 認定申請書や誓約書などを作成する
⑤ 管轄警察署へ申請する
という順番で進めていくとよいでしょう。
警備会社の開業時期が決まっている場合は、認定申請そのものの審査期間だけでなく、必要書類の準備期間も考慮し、余裕を持って準備を始めることが大切です。
大阪府で警備業認定申請をご検討の方へ
警備業認定申請は、必要な書類をただ集めればよいという手続きではありません。
申請前に、役員等の人的要件や営業所、警備員指導教育責任者の選任状況、警備業務の区分などを確認したうえで、それぞれのケースに応じた書類を準備する必要があります。
特に法人の場合は役員全員について書類を準備するため、
「誰の書類が必要なのかわからない」
「この資格者証で予定している警備業務を始められるのか確認したい」
「開業予定日までに認定を取得できるよう準備したい」
といった疑問が出てくることも少なくありません。
勝浦行政書士事務所では、大阪府での警備業認定申請について、申請前の要件確認から必要書類のご案内、申請書類の作成、管轄警察署への申請までサポートしております。
警備業の認定取得を検討しているものの、何から準備すればよいかわからない場合は、書類を集め始める前の段階からご相談いただくことも可能です。




