一般貨物自動車運送事業の許可を取得した法人では、許可を取得した後もさまざまな変更手続きが必要になります。
そのひとつが、法人の役員に変更があった場合の届出です。
「取締役が退任した」「新しく役員が就任した」「代表取締役が変更になった」といった場合には、会社の登記だけでなく、一般貨物自動車運送事業についても運輸支局への届出が必要になります。
特に注意したいのが、代表権を有する役員と、それ以外の役員では届出の時期が異なることです。
この記事では、一般貨物自動車運送事業者の役員変更について、どのような場合に届出が必要なのか、提出時期や必要書類などを解説します。
一般貨物自動車運送事業では役員変更の届出が必要

一般貨物自動車運送事業者である法人について、役員に変更があった場合には、その旨を届け出る必要があります。
貨物自動車運送事業法施行規則では、一般貨物自動車運送事業者または特定貨物自動車運送事業者である法人について、役員または社員に変更があった場合の届出が定められています。
ここでいう社員とは、合同会社などの「社員」で、一般の会社員や従業員ではなく、会社に出資している人のことです。
つまり、会社法上の役員変更登記を行えば手続きがすべて終わるわけではありません。
法務局で行う役員変更登記とは別に、一般貨物自動車運送事業者としての変更届を運輸支局へ提出する必要があります。
役員変更は営業所や車庫の変更と比べると事業への影響が見えにくいため、運輸支局への届出を忘れやすい手続きのひとつです。
どのような役員変更が届出の対象になる?

役員変更の届出が必要となる代表的なケースとして、次のようなものがあります。
- 新しい取締役が就任した
- 取締役が退任した
- 代表取締役が変更になった
- 役員の構成が変更になった
例えば、事業承継などによって代表取締役が父親から子どもへ変更になった場合や、会社の経営体制を変更して新しい取締役を追加した場合などが該当します。
代表者の変更とその他の役員変更では届出時期が違う
役員変更で特に注意しておきたいのが、すべての役員変更について同じ期限が設定されているわけではないという点です。
近畿運輸局では、役員変更について次のように案内しています。
代表権を有する役員の変更
代表取締役など、代表権を有する役員に変更があった場合は「遅滞なく」届出を行います。
代表者は一般貨物自動車運送事業の許可を受けている法人を代表する重要な立場であるため、変更後に速やかな手続きが必要です。
「変更してから○日以内」といった一律の日数が設定されているわけではありませんが、変更登記が完了した後は、そのまま放置せず手続きを進めるようにしましょう。
代表権を有しない役員の変更
一方、代表権を有しない取締役などの変更については、代表者変更とは取扱いが異なります。
近畿運輸局の案内では、前年7月1日から6月30日までの期間に生じた変更について、毎年7月31日までに届け出ることとされています。
そのため、一般の取締役が就任・退任するたびに、その都度すぐに届出を行わなければならないわけではありません。
ただし、「期限までまだ時間がある」と後回しにすると、そのまま届出を忘れてしまう可能性があります。
届出漏れを防ぐためにも、役員に変更があった段階で早めに手続きを済ませておくと安心です。
代表者の変更と、それ以外の役員変更では届出時期が異なるため、それぞれの取扱いを混同しないよう注意しましょう。
役員変更は事前の認可ではなく事後の届出
一般貨物自動車運送事業では、変更する内容によって必要な手続きやタイミングが異なります。
例えば、営業所や車庫を移転する場合には、変更内容によって、事前に「事業計画変更認可」を受けなければならないケースがあります。
これに対して、役員変更については、原則として変更後に行う届出です。
そのため、役員変更の登記を済ませたことで「必要な手続きはすべて終わった」と思い、運輸支局への届出を忘れてしまうケースも考えられます。
一般貨物自動車運送事業を営む法人では、会社法上の役員変更登記だけでなく、運送事業者としての変更届出も必要です。
役員に変更があった場合は、「登記を変更して終わり」ではなく、運輸支局への手続きも必要になると覚えておきましょう。
役員変更届の提出先

一般貨物自動車運送事業の役員変更届は、原則として管轄する運輸支局の輸送部門へ提出します。
例えば、大阪府内に主たる事務所がある一般貨物自動車運送事業者であれば、寝屋川市にある大阪運輸支局が手続きの窓口となります。
ただし、会社の事業状況や変更内容によって提出方法などを確認したほうがよいケースもあります。
役員変更以外にも同時に変更事項がある場合には、あわせて確認しておくとよいでしょう。
役員変更届に必要となる書類
役員変更では、主に役員の変更内容が分かる書類を準備して届出を行います。
代表的な書類としては、
- 変更届出書
- 変更内容を確認できる登記事項証明書など
- 新任役員に関する宣誓書
などがあります。
国土交通省が公開している一般貨物自動車運送事業の変更手続き様式では、役員変更について、新任役員が貨物自動車運送事業法第5条の欠格事由のいずれにも該当しない旨の宣誓書を添付することとされています。
役員変更届を忘れないためには

一般貨物自動車運送事業では、許可を取得した後にも多くの変更手続きがあります。
役員変更については、営業所を移転したり車両を増車したりする場合と違って、日々の運送業務に直接影響しないため、運輸支局への届出を忘れてしまうことがあります。
特に注意したいのが、「会社の登記を変更したから手続きは終わった」と思ってしまうケースです。
一般貨物自動車運送事業者の場合、法人登記とは別に運送事業上の届出が必要になることがあります。
役員、代表者、会社所在地などの登記事項を変更した際には、「運輸支局への手続きも必要ではないか」まで確認する習慣をつけておくことが大切です。
まとめ
一般貨物自動車運送事業を営む法人で役員に変更があった場合には、運輸支局への届出が必要です。
特に重要なのは、代表権を有する役員と、それ以外の役員では届出時期が異なるという点です。
代表取締役など代表権を有する役員の変更は「遅滞なく」、代表権を有しない役員については、前年7月1日から6月30日までの変更を毎年7月31日までに届け出る取扱いとなっています。
運送事業者の役員変更は会社の登記だけで完結するものではありません。
一般貨物自動車運送事業の許可取得後は、役員をはじめ、営業所・車庫・事業用自動車などさまざまな変更について手続きが定められています。
会社に変更があった際は、法人登記だけでなく「運送事業上の手続きが必要か」もあわせて確認することが大切です。
大阪府で一般貨物自動車運送事業の役員変更をお考えの方へ
一般貨物自動車運送事業の役員変更は、車庫移転などの変更認可申請ほど大がかりな手続きではありません。
しかし、代表者の変更なのか、代表権を持たない役員の変更なのかによって届出時期が異なり、新任役員がいる場合には欠格事由についても確認する必要があります。
また、会社の組織変更などでは、役員だけでなく本店所在地や営業所なども同時に変更されることがあり、それぞれ別の手続きが必要になるケースもあります。
勝浦行政書士事務所では、大阪府の一般貨物自動車運送事業に関する役員変更の届出に対応しております。
「役員が変わったけれど、どのような手続きが必要か分からない」「役員変更以外にも届出が必要なのか確認したい」といったご相談も可能です。
変更内容を確認したうえで、必要な手続きを整理し、変更届出書の作成から運輸支局への提出までサポートいたします。
大阪府で一般貨物自動車運送事業の役員変更を予定されている方は、お気軽に勝浦行政書士事務所までご相談ください。




