近年、EC市場の拡大や配送需要の増加により、軽貨物運送事業に注目が集まっています。
「会社員を辞めて独立したい」
「副業として軽貨物配送を始めたい」
「運送業の経験がないけど挑戦できるの?」
このように考えている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、軽貨物運送事業は未経験でも始めることが可能です。
私自身も軽貨物運送事業の経験がありますが、始めた当初はまったくの未経験でした。
「本当に自分にできるのだろうか」と不安を感じながらスタートしたことを今でも覚えています。
最初は配送ルートや荷物の扱い方など、慣れないことも多く苦労しました。しかし、経験を積むにつれて少しずつ仕事にも慣れ、スムーズに業務をこなせるようになりました。
軽貨物運送事業に限らず、どのような仕事でも最初は不安を感じるものですし、慣れるまでは苦労することもあるでしょう。
実際に軽貨物ドライバーとして活躍している方の中には、元営業職や飲食業、製造業など、運送業とはまったく関係のない業界から転身した方も少なくありません。
そのため、「運送業の経験がないから無理かもしれない」と心配している方でも、必要な知識や経験を積みながら十分に活躍することができます。
軽貨物運送事業とは?
軽貨物運送事業とは、軽自動車(125cc超のバイクを含む)を使用して荷物を運ぶ運送事業のことです。
一般的には、
- 宅配便
- 企業配送
- ネットスーパー配送
- スポット配送
- チャーター便
などの業務があります。
正式には「貨物軽自動車運送事業」といい、営業用の黒ナンバーを取得して事業を行います。
一般貨物自動車運送事業(いわゆる緑ナンバー)と比べると、要件が大幅に緩和されているため、個人でも比較的始めやすい事業です。
一般貨物自動車運送事業と軽自動車運送事業の違いについては、こちらの記事でも解説しています。
未経験でも始められる理由

未経験でも始めらる理由にはいくつかの根拠があります。
- 特別な資格がいらない
- 一人でも始められる
- マッチングサービスが充実している
特別な資格が不要
軽貨物運送事業を始めるために必要な資格は、基本的に普通自動車運転免許だけです。
例えば、
- タクシードライバーであれば二種免許
- 大型トラックドライバーであれば大型免許
- バスの運転手であれば大型二種免許
などが必要になります。
また、一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)では、営業所ごとに運行管理者を配置しなければならず、事業開始のためのハードルも格段に高くなっています。
その点、軽貨物運送事業は普通免許と軽自動車があれば始めることができるため、運送業界未経験の方でも参入しやすい事業といえます。
なお、2025年4月の法改正により「安全管理者」の選任が義務付けられました。
個人事業主として開業する場合は、自らが安全管理者となり講習を受講する必要がありますが、講習はオンラインで約5時間受講し、修了テストを受ける形式ですので、難易度が高いものではありません。
一人でも開業できる
一般貨物自動車運送事業では、
- 運行管理者
- 整備管理者
- 営業所ごとに5台以上の車両
などが必要になります。
したがって、一人で始めることができません。
少なくとも、代表者を入れて6人は必要になります。
一方、軽貨物運送事業は軽自動車1台から始めることが可能です。
個人事業主として開業し、自分一人で事業を運営している方も多くいます。
マッチングサービスが充実している
以前は荷主を自分で探したり、運送会社と業務委託契約を結んだりする必要がありました。
しかし、現在では
- PickGo
- ハコベル
- Ubereats
- その他配送マッチングサービス
などを利用して案件を獲得することもできます。
未経験者でも比較的仕事を見つけやすい環境が整っていることも、参入しやすい理由の一つです。
未経験者が開業前に準備しておきたいこと

未経験の方は、開業前に次の点を確認しておくことをおすすめします。
- 仕事の獲得方法を決める
- 車両を準備する
- 事業用保険を確認する
仕事の獲得方法を決める
軽貨物運送事業を始める前に、どのように仕事を獲得するのかを考えておくことが重要です。
黒ナンバーを取得して開業したとしても、荷物を運ぶ仕事がなければ売上は発生しません。
主な仕事の獲得方法としては、
- 運送会社と業務委託契約を結ぶ
- 宅配会社の配送業務を請け負う
- 配送マッチングサービスを利用する
- 自ら営業活動を行い荷主を開拓する
といった方法があります。
未経験者の場合は、配送ノウハウを学ぶこともできるため、まずは運送会社や宅配会社と業務委託契約を結んでスタートするケースが多いでしょう。
一方で、近年では配送マッチングサービスも普及しており、スマートフォンから案件を探して受注することも可能です。
ただし、案件によって単価や仕事内容が大きく異なるため、「開業してから考える」のではなく、事前にどのような働き方をするのかを決めておくことが大切です。
車両を準備する
軽貨物運送事業と聞くと、「4ナンバーの軽貨物車でなければならない」と思っている方もいるのではないでしょうか。
しかし、2022年10月の制度改正により、5ナンバーの軽乗用車でも貨物軽自動車運送事業経営届を提出し、黒ナンバーを取得できるようになりました。
そのため、必ずしも軽バンを購入しなければ開業できないというわけではありません。
また、車両を準備する方法としては、
- 新車を購入する
- 中古車を購入する
- リース契約を利用する
といった選択肢があります。
「できるだけ初期費用を抑えたい」「軽貨物運送事業が自分に合うか分からない」という方であれば、リース契約を検討するのも一つの方法です。
一方で、長期間にわたって事業を続ける場合には、一般的にリース料の総額が車両購入費を上回ることが多いため、結果的にコストが高くなるケースもあります。
そのため、将来的にどのような働き方をしたいのか、どのくらいの期間事業を続ける予定なのかを踏まえたうえで、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
特に宅配業務では走行距離が年間数万kmになることも珍しくないため、車両選びは収益にも大きく影響します。
軽乗用車での黒ナンバー取得については、こちらの記事でも解説しています。
事業用保険を確認する
見落とされがちなのが、自動車の任意保険です。
軽貨物運送事業で使用する車両は事業用車両となるため、自家用向けの任意保険のままでは、事故が発生した際に保険金が支払われない可能性があります。
そのため、軽貨物運送事業を始める際は、事業用の任意保険へ加入する必要があります。
また、ネット型の損害保険会社の中には、事業用車両の任意保険を取り扱っていない会社もあります。
現在加入している保険会社がある場合は、軽貨物運送事業での使用が可能か、また事業用保険を取り扱っているかを事前に確認しておくと安心です。
開業直前になって保険の切り替えが必要と分かると、黒ナンバー取得後に営業を開始できない場合もありますので、車両の準備とあわせて早めに確認しておくことをおすすめします。
2025年4月から安全対策が強化されています
軽貨物運送事業は以前よりも安全管理が重視されるようになっています。
2025年4月からは、
- 安全管理者の選任
- 初任運転者等への特別指導
- 適性診断の受診
- 事故記録の作成・保存
などの義務が新たに設けられました。
そのため、「とりあえず黒ナンバーを取得すれば終わり」というわけではなく、開業後も法令を遵守した運営が求められます。
まとめ
軽貨物運送事業は、未経験からでも比較的始めやすい運送事業です。
普通自動車運転免許と車両、営業所と車庫があれば開業できるため、独立や副業を検討している方にとって魅力的な選択肢の一つといえるでしょう。
一方で、配送スキルの習得や安全管理、仕事の獲得方法など、事前に理解しておくべきポイントもあります。
特に2025年4月の法改正以降は安全対策が強化されており、安全管理者の選任や適性診断の受診など、新たな義務にも対応しなければなりません。
また、「Amazon Flex」や「PickGo」などの配送マッチングサービス、「Uber Eats」や「出前館」などのフードデリバリーサービスでは、登録時に安全管理者の選任届や適性診断の受診証明書の提出が求められる場合があります。
そのため、「とりあえず黒ナンバーを取得すればよい」というわけではなく、どのような事業を行うのかを見据えたうえで、必要な準備を進めることが大切です。
当事務所では、軽貨物運送事業の実務経験を持つ行政書士が、貨物軽自動車運送事業経営届の提出から黒ナンバー取得までサポートしております。
「未経験から軽貨物運送事業を始めたい」
「何から準備すればよいかわからない」
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という方は、お気軽にご相談ください。
開業前の疑問や不安を解消し、スムーズなスタートをお手伝いいたします。





