バーやクラブ、音楽イベントを伴う飲食店などを開業する際、「深夜営業なら深夜酒類提供飲食店営業開始届を出せばOK」と考えている方は少なくありません。
しかし、営業形態によっては、単なる「深夜酒類提供飲食店営業」ではなく、「特定遊興飲食店営業」の許可が必要となる場合があります。
この違いを理解しないまま営業を開始してしまうと、無許可営業として風営法違反になる可能性もあります。
この記事では、
・特定遊興飲食店営業とは何か
・深夜酒類提供飲食店営業との違い
・どのような店舗が該当するのか
・よくある誤解や注意点
について、風営法の観点からわかりやすく解説します。
深夜酒類提供飲食店営業とは?
深夜酒類提供飲食店営業とは、深夜0時から午前6時までの間に、お酒をメインとして提供する飲食店営業のことをいいます。
代表的な例としては、
・バー
・ショットバー
・居酒屋
・ダイニングバー
・小規模ラウンジ(接待行為はNG)
などがあります。
ここでいう「深夜」とは、一般的な夜遅い時間という意味ではなく、風営法上の「午前0時から午前6時まで」を指します。
また、単にお酒を提供しているだけでは該当しません。
「酒類提供が営業の中心となっているか」が重要なポイントとなります。
そのため、牛丼店やラーメン店のように、主として食事を提供する店舗については、深夜営業をしていても深夜酒類提供飲食店営業に該当しない場合があります。
深夜酒類飲食店営業を行うためには、店舗を管轄する警察署へ届出を行う必要があります。
特定遊興飲食店営業とは?

特定遊興飲食店営業とは、平成27年の風営法改正によって新たに創設された許可業種です。
もともと、ナイトクラブ等の営業は、風営法2条1項3号営業として規制されていましたが、法改正により独立し、現在は風営法2条11項で定義される「特定遊興飲食店営業」として位置付けられています。
一般的には、以下の3つの要素を満たす飲食店が、「特定遊興飲食店営業」に該当すると考えられます。
- 深夜0時〜午前6時まで客に酒類を提供する
- 深夜0時〜午前6時まで客に遊興させる
- 客室の照度が10ルクスを超える
簡単にいうと、「深夜にお酒を提供し、音楽・ダンス・DJ演出などによって客を楽しませる営」というイメージです。
- クラブ(DJバー)
- ショーパブ
- ダンスを伴う営業形態の店舗
などが挙げられます。
「遊興」とは何か?
「客に遊興させる」とは、非常にわかりづらい表現かもしれません。
風営法上の遊興とは、営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせることをいいます。
【大阪府警のHP】には以下の内容が遊興させる行為であると掲載されています。
- 不特定の客にショー、ダンス、演芸その他の興行等を見せる行為
- 不特定の客に歌手がその場で歌う歌、バンドの生演奏等を聴かせる行為
- 客にダンスをさせる場所を設けるとともに、音楽や照明の演出等を行い、不特定の客にダンスをさせる行為
- のど自慢大会等の遊戯、ゲーム、競技等に不特定の客を参加させる行為
- カラオケ装置を設けるとともに、不特定の客に歌うことを勧奨し、不特定の客の歌に合わせて照明の演出、合いの手等を行い、又は不特定の客の歌を褒めはやす行為
- バー等でスポーツ等の映像を不特定の客に見せるとともに、客に呼び掛けて応援等に参加させる行為
- 上記のほか、営業者側の積極的な働き掛けにより不特定の客に遊び興じさせる行為
- 店内で客が踊れる状態になっている
- DJが音楽を流しイベント的営業をしている
- 照明や音響でクラブ的演出をしている
などが挙げられます。
深夜酒類提供飲食店営業との大きな違い
「深夜酒類提供飲食店」と「特定遊興飲食店」の代表的な違いは以下のとおりです。
- 深夜にお酒を提供する
- 店内の照度は20ルクス以上
- お酒の提供がメインの業態
- 始めるには届出が必要
- 深夜にお酒を提供する
- 店内の照度は10ルクス以上
- お客さんに遊興させる業態
- 始めるには許可が必要
単なるバー営業のつもりでも、営業実態によっては「特定遊興飲食店営業」と判断されるケースがあります。
「音楽を流しているだけ」は大丈夫?

よくある誤解として、「BGMを流しているだけだから問題ない」というケースがあります。
しかし、実際には、
・DJイベントを定期開催している
・客が踊れる状態になっている
・クラブのような営業実態がある
・店側が積極的に盛り上げている
といった事情がある場合、単なるBGM営業とは判断されない可能性があります。
店舗のホームページやSNSの投稿内容、イベント告知などが判断材料となるケースもあります。
大阪では出店地域にも要注意
「深夜酒類提供飲食店」も「特定遊興飲食店」も、どこでも出店できるわけではありません。
特に、特定遊興飲食店は出店できるエリアが限られています。
- 用途地域で出店エリアが限られる
- 営業所設置許容地域のみでしか出店できない
深夜酒類提供飲食店営業については、用途地域や大阪府条例などの条件を満たしていれば、大阪府内でも比較的広いエリアで出店を検討することが可能です。
一方で、特定遊興飲食店営業については、営業所を設置できる地域が大きく制限されています。
大阪府では、条例により営業可能区域が限定されており、大阪市北区・中央区の一部(いわゆるキタ・ミナミエリア)を中心とした地域のみで許可取得を検討することができません。
そのため、
「商業地域だから営業できる」
「繁華街だから問題ない」
と自己判断してしまうのは危険です。
詳しい営業所設置許容地域についていは、こちらの「大阪府警HP」をご確認ください。
まとめ
深夜営業を行う飲食店では、
・単なる深夜酒類提供飲食店営業なのか
・特定遊興飲食店営業に該当するのか
を正しく判断することが非常に重要です。
特に、
・DJイベント
・音楽演出
・ダンス営業
・クラブ的営業形態
がある場合は、特定遊興飲食店営業に該当する可能性があります。
また、客に対する「接待行為」を伴う営業を行う場合には、「風俗営業1号営業(社交飲食店営業)」の許可が必要となります。
例えば、
・キャバクラ
・ホストクラブ
・スナック等での接待営業
などが代表例です。
営業実態に応じた許可取得や届出を行わずに営業した場合、無許可営業・無届営業として風営法違反となる可能性があります。
場合によっては、営業停止や刑事罰などの厳しい処分につながることもあるため、開業前に自店舗の営業形態を正確に確認することが重要です。
当事務所では、
・営業形態の確認
・用途地域調査
・深夜営業可否の確認
・図面作成
・警察署対応
・深夜酒類提供飲食店営業開始届
まで幅広くサポートしております。
「この営業形態はどちらに該当する?」
「この物件で営業できる?」
と疑問をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
大阪府での深夜酒類提供飲食店営業届出のサポートはお任せください
当事務所では、大阪府内の深夜酒類提供飲食店営業開始届について、
- 用途地域調査
- 深夜営業の可否確認
- 現地実測
- 風営法対応の図面作成
- 警察署との事前相談
- 届出手続き
まで、一括でサポートしております。
また、
「図面だけ作成してほしい」といった、部分的なご依頼にも対応可能です。
深夜営業では、
- 用途地域で営業できなかった
- 工事後に構造要件違反が発覚した
- 保健所の図面を流用してしまった
など、開業直前でトラブルになるケースも少なくありません。
特に、物件契約後や内装工事後では、修正費用が大きくなることもあります。
そのため、当事務所では、
「契約前の確認」
「工事前のチェック」
をおすすめしております。
「この物件で深夜営業できる?」
「この内装で届出は通る?」
「そもそも届出が必要か分からない」
という段階でも大丈夫です。
大阪で深夜酒類提供飲食店営業開始届をご検討の方は、お気軽にご相談ください。




