一般貨物自動車運送事業の代表者変更|必要な手続きと届出期限を解説

一般貨物自動車運送事業の代表者変更|必要な手続きと届出期限を解説

一般貨物自動車運送事業の許可を取得した後、会社の代表取締役が交代することがあります。

株式会社であれば、代表取締役の変更に伴って法務局で変更登記を行いますが、運送業の許可についても変更手続きが必要です。

「法人登記を変更したから、運送業については何もしなくてもよい」と考えてしまいがちですが、登記と運送業の手続きは別のものです。

特に代表取締役は「代表権を有する役員」に該当するため、一般の取締役が変更になった場合とは届出期限の取扱いが異なります。

この記事では、一般貨物自動車運送事業者の代表者が変更になった場合に必要となる手続きや届出期限、必要書類について解説します。

目次

一般貨物自動車運送事業の代表者が変更になったら届出が必要

一般貨物自動車運送事業を営む法人で代表取締役などの役員に変更があった場合は、運輸局へ変更届を提出する必要があります。

貨物自動車運送事業法施行規則第44条では、一般貨物自動車運送事業者である法人について、役員または社員に変更があった場合を届出事項として定めています。

代表取締役の交代も当然この「役員の変更」に含まれます。

ただし、代表権を有する役員と、それ以外の役員では変更届の提出期限が異なります。
「役員変更だから同じ期限」と考えてしまうと届出が遅れる可能性があるため、代表取締役が変更になった場合は特に注意しましょう。

代表者変更は「変更認可」ではなく「変更届」

一般貨物自動車運送事業では、変更する内容によって「認可」が必要なものと「届出」で済むものがあります。

例えば、営業所や車庫など一定の事業計画を変更する場合には、原則として事前に変更認可を受けなければなりません。

一方、代表取締役の変更については変更認可を受ける必要はなく、変更後の届出となります。

近畿運輸局でも、役員の変更を「事後の届出が必要なもの」として案内しています。
そのため、運輸局から許可を受けてから代表取締役を変更するという流れではありません。

会社法上必要な手続きを行って代表者を変更し、その後、一般貨物自動車運送事業について変更届を提出することになります。

一般の取締役変更とは届出期限が異なる

代表者変更で間違えやすいのが、代表権を持たない取締役などの変更と同じように考えてしまうことです。

代表権を有しない役員については、前年7月1日から6月30日までに生じた変更を、毎年7月31日までに届け出る取扱いとなっています。

一方、代表取締役などの代表権を有する役員については、この年1回の取扱いは適用されず、変更後「遅滞なく」届出が必要です。

整理すると、次のようになります。

変更内容届出期限
代表取締役など代表権を有する役員変更後、遅滞なく
代表権を有しない役員前年7月1日~6月30日の変更を毎年7月31日まで

例えば、5月に通常の取締役が変更になった場合は7月31日までの届出対象となりますが、5月に代表取締役が変更になった場合は、7月まで待つのではなく速やかに届け出る必要があります。

変更届はどこに出す?

代表者変更の届出は、一般貨物自動車運送事業の許可上の「主たる事務所」を管轄する運輸支局へ提出します。

ここで注意したいのが、主たる事務所と会社の本店所在地が必ずしも同じとは限らないという点です。
一般貨物自動車運送事業における「主たる事務所」は、事業計画上定められている事務所を指します。

例えば、運送業を中心に事業を行っている会社であれば、本店所在地と主たる事務所が同じになっているケースが一般的です。

一方で、複数の事業を行っている会社などでは、本店とは別の場所を一般貨物自動車運送事業の主たる事務所として定めている場合もあります。

そのため、代表者変更届を提出する際は、単純に「本店所在地を管轄する運輸支局」と考えるのではなく、現在の一般貨物自動車運送事業の事業計画で、どこが主たる事務所として届け出られているかを確認することが大切です。

提出先が分からない場合は、許可書類や過去の届出書類を確認するか、管轄の運輸支局へ確認するとよいでしょう。

代表者変更で必要となる書類

代表取締役が変更になった場合は、所定の変更届出書を作成して提出します。

一般貨物自動車運送事業における代表取締役の変更の届出には次の書類が必要になります。

代表取締役の変更届に必要な書類
  • 変更届出書
  • 誓約書
  • 登記簿謄本(管轄の運輸支局によって要否が異なる)

登記簿謄本のコピーが必要になるかは管轄の運輸支局により異なります。
事前に管轄の運輸局に確認するか、登記簿謄本のコピーを添付することが無難です。

新しい代表者も欠格事由に該当しないことが必要

一般貨物自動車運送事業では、誰でも無条件に法人の役員になれるというわけではありません。

新しく代表取締役に就任する者についても、貨物自動車運送事業法に定められた欠格事由との関係を確認する必要があります。

そのため、新しく役員となった者については、前述した宣誓書の提出が求められています。

単に、「代表取締役の名前を書き換えて提出すれば終わり」という手続きではありません。

特に外部から新しい代表取締役を迎える場合などは、就任前の段階で運送業許可への影響がないか確認しておくことも大切です。

代表者変更の届出を忘れていた場合は?

代表者が変更になってから時間が経過し、「運送業の変更届を出していなかったことに後から気付いた」というケースも考えられます。

一般貨物自動車運送事業を営む法人で、代表権を有する役員に変更があった場合は、貨物自動車運送事業法施行規則第44条に基づき、変更後「遅滞なく」届け出る必要があります。

そのため、代表者が変更になったにもかかわらず、長期間届出をしないまま放置しておくことは適切ではありません。

過去の代表者変更について届出漏れが判明した場合は、そのままにするのではなく、できるだけ早く管轄の運輸支局へ確認し、必要な変更届を提出することが重要です。

なお、貨物自動車運送事業法には、事業計画の軽微な変更について届出をしなかった場合に「50万円以下の過料」とする規定がありますが、これは貨物自動車運送事業法第9条第3項に基づく事業計画の変更届に関するものであり、代表者変更の届出とは異なります。

代表者変更については、「罰則があるかどうか」だけで判断するのではなく、法令上必要な届出事項である以上、届出漏れに気付いた時点で速やかに対応することが大切です。

また、代表者変更の届出を忘れていた場合には、ほかの役員変更や営業所・車庫などについても届出漏れがないか、あわせて確認しておくとよいでしょう。

まとめ

一般貨物自動車運送事業を営む法人で代表取締役が変更になった場合には、運送業についても役員変更の届出が必要です。

代表取締役は「代表権を有する役員」に該当するため、変更後は遅滞なく届け出なければなりません。

代表権を有しない取締役について認められている「毎年7月31日まで」の取扱いとは異なるため、混同しないよう注意しましょう。

また、法人登記を変更しただけでは、運送業の変更手続きまで完了したことにはなりません。

代表者が変更になったときは、「登記を変更したから終わり」ではなく、「運送業の届出も必要」と覚えておくとよいでしょう。

代表者変更だけでなく、役員、本店、営業所、車庫など複数の変更が重なっている場合には、手続きによって「事後届出」「事前届出」「認可申請」が異なることがあります。

どの手続きが必要なのか判断が難しい場合や、過去の変更届が提出できているか分からない場合には、管轄の運輸支局や運送業許可を取り扱う行政書士へ相談し、現在の届出状況を確認することをおすすめします。


一般貨物自動車運送事業の変更届に関するお悩みは当事務所へ

一般貨物自動車運送事業では、役員や営業所、車庫などに変更があった場合、変更内容に応じて届出や認可申請などの手続きが必要になります。

しかし、

「変更してから届出をしていないことに気付いた」
「かなり前の変更だけど、今から届出できる?」
「そもそも変更届が必要なのか分からない」
「変更届ではなく認可が必要なのか判断できない」

といったケースも少なくありません。

勝浦行政書士事務所では、一般貨物自動車運送事業の変更手続きに関するご相談・申請サポートに対応しております。

現在の状況や変更内容を確認したうえで、必要となる手続きを整理し、書類作成から運輸支局への手続きまでサポートいたします。

「変更届を忘れていたかもしれない」という段階でも構いません。

一般貨物自動車運送事業の変更手続きでお困りの方は、お気軽に勝浦行政書士事務所までご相談ください。

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