「大阪で警備会社を立ち上げたい」
「警備業の認定申請をしたいけれど、過去の経歴が問題にならないか心配」
警備業を始めるためには、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会から警備業の認定を受ける必要があります。
しかし、申請書類を揃えれば必ず認定されるわけではありません。
警備業法では、警備業を営むことができない者について「欠格事由」が定められており、これに該当すると認定を受けることができません。
特に注意したいのが、
「昔のことだから大丈夫だろう」
「罰金くらいなら関係ないだろう」
「代表者だけ問題なければ大丈夫だろう」
と自己判断して申請準備を進めてしまうケースです。
せっかく開業準備を進めても、申請者や法人の役員などが欠格事由に該当していれば、警備業の認定を受けられない可能性があります。
この記事では、大阪で警備業認定の申請を検討している方に向けて、警備業の欠格事由とは何か、どのような場合に認定を受けられないのかを行政書士がわかりやすく解説します。
警備業認定における「欠格事由」とは

警備業法第3条では、警備業を営むことができない者について定められています。
これを一般的に「欠格事由」と呼びます。
つまり、営業所や警備員指導教育責任者などの要件を整えていたとしても、申請者が欠格事由に該当していれば、警備業の認定を受けることはできません。
法人で申請する場合についても注意が必要です。
法人そのものだけを見るのではなく、法人の役員についても欠格事由の確認が必要となります。
そのため、新しく警備会社を設立する場合には、会社を作ってから考えるのではなく、役員構成を決める段階から欠格事由について確認しておくことが大切です。
警備業の主な欠格事由
警備業法第3条では複数の欠格事由が定められています。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 拘禁刑以上の刑、または警備業法違反による罰金刑を受け、一定期間を経過していない者
- 最近5年間に警備業法違反等の重大な不正行為をした者
- 集団的・常習的に暴力的不法行為等を行うおそれがある者
- 暴力団対策法に基づく一定の命令・指示を受けて3年を経過していない者
- アルコール、麻薬、大麻、あへん、覚醒剤の中毒者
- 心身の障害により警備業務を適正に行えない者として規則で定める者
- 営業について成年者と同一の行為能力を有しない未成年者(一定の例外あり)
- 営業所・警備業務区分ごとに警備員指導教育責任者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者
- 法人の役員の中に①〜⑦に該当する者がいる場合
- ④に該当する者から、出資・融資・取引などを通じて事業活動に支配的な影響を受けている者
実際には条文上の細かな条件がありますので、「これに近いから該当する」「書いていないから大丈夫」と単純に判断するのではなく、個別に確認する必要があります。
代表的なものを補足説明します。
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
破産手続開始の決定を受けており、まだ復権を得ていない場合は、警備業の認定を受けることができません。
ただし、「過去に自己破産をしたことがある」というだけで、一生警備業の認定を受けられないわけではありません。
重要なのは、現在「復権」を得ているかどうかです。
「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」とは、簡単にいうと、破産手続開始の決定を受けた後、まだ法律上の資格制限が解除されていない状態にある人をいいます。
例えば、裁判所による免責許可の決定が確定すると、原則として「当然復権」となります。
そのため、過去に自己破産をしていても、すでに免責許可の決定が確定して復権している場合は、「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」という欠格事由には該当しません。
拘禁刑以上の刑、または警備業法違反による罰金刑を受け、一定期間を経過していない者
過去に拘禁刑以上の刑に処せられた者や、警備業法の規定に違反して罰金刑に処せられた者については、一定期間、警備業を営むことができません。
具体的には、刑の執行を終わった日、または刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない場合は、警備業法上の欠格事由に該当します。
ここで注意したいのは、拘禁刑以上の刑については、必ずしも警備業に関係する犯罪に限られないという点です。
一方、罰金刑については、すべての罰金刑が直ちにこの欠格事由に該当するわけではなく、警備業法の規定に違反して罰金刑に処せられた場合など、法律で定められたものが対象となります。
また、「判決を受けてから5年経過しているから大丈夫」と単純に判断できるとは限りません。
欠格期間の起算点は、原則として刑の執行を終わった日、または刑の執行を受けることがなくなった日となるためです。
最近5年間に警備業法違反等の重大な不正行為をした者
警備業法では、最近5年間に警備業に関して重大な不正行為をした者についても、欠格事由の対象としています。
ここでいう「重大な不正行為」とは、単に過去に何らかの法令違反をしたことがある、というだけで直ちに該当するものではありません。
例えば、警備業務を行うにあたって違反行為が行われた場合や、警備業者または警備員という立場を利用して違反行為が行われた場合など、警備業務と密接に関連して行われた不正行為が問題となります。
警備業は、人の生命・身体・財産を守るという性質上、事業者には高い適法性や信頼性が求められます。そのため、刑事処分を受けていない場合であっても、過去の行為の内容によっては、この欠格事由に該当する可能性があります。
警備員指導教育責任者を選任していない場合
警備業を営むためには、営業所ごと、取り扱う警備業務の区分ごとに、資格要件を満たした警備員指導教育責任者を選任する必要があります。
「認定を取得してから資格者を探せばいい」と考える方もいるかもしれませんが、注意が必要です。
認定をするか否かを判断する時点で、警備員指導教育責任者として選任する者が具体的に決まっていない場合などは、認定を受けられない可能性があります。
そのため、警備業を始めるのであれば、申請前の段階で警備員指導教育責任者を確保しておく必要があります。
法人の場合は「役員全員」の確認が重要

法人で警備業認定を申請するときに特に注意したいのが、役員の欠格事由です。
代表取締役だけが欠格事由に該当していなければよい、というわけではありません。
法人の役員のなかに欠格事由に該当する者がいる場合、法人として警備業認定を受けられない可能性があります。
警備業法3条10号には、役人には、「業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者」を含むと規定されています。
そのため、警備会社を設立する際には、
- 代表取締役
- 取締役
- その他、警備業法上確認が必要となる役員
について、事前に確認しておくことが大切です。
会社設立後になって役員の欠格事由が判明すると、役員変更などが必要になることも考えられます。
これから法人を設立して警備業を始める場合は、会社設立前に役員構成と欠格事由を確認しておくことをおすすめします。
欠格事由を知らずに開業準備を進めるのは危険
警備会社を開業するためには、法人設立、営業所の確保、人員の確保、警備員指導教育責任者の確保など、さまざまな準備が必要になります。
場合によっては、営業所の賃貸借契約を締結したり、採用活動を始めたりすることもあるでしょう。
しかし、その後に欠格事由への該当が判明し、警備業認定を受けられなければ、それまでの準備や費用が無駄になってしまう可能性があります。
だからこそ、
「とりあえず会社を作ってから認定申請を考える」のではなく、「警備業認定を受けられる状態なのかを確認してから開業準備を進める」
という順番が大切です。
まとめ
警備業認定には、警備業法で定められた欠格事由があります。
必要書類をそろえれば必ず認定を受けられるわけではなく、申請者や法人の役員などが欠格事由に該当している場合には、認定を受けられない可能性があります。
特に法人で申請する場合には、代表者だけでなく役員についても事前に確認しておくことが重要です。
また、警備員指導教育責任者についても、認定申請を進めるうえで重要な要件となります。
会社設立や営業所契約などを進めた後に問題が判明すると、開業スケジュールに大きな影響が出る可能性があります。
大阪で警備会社の開業を検討している方は、本格的な開業準備を始める前に、警備業認定の要件や欠格事由を確認しておきましょう。
大阪で警備業認定を申請するなら事前確認が重要
警備業認定の申請では、欠格事由だけでなく、警備員指導教育責任者の選任や必要書類の準備など、申請前に確認しておきたいポイントが複数あります。
特に初めて警備会社を設立する方の場合、
「この役員構成で問題ないのか」
「過去の経歴が欠格事由に該当しないか」
「警備員指導教育責任者は誰を選任すればいいのか」
「どのタイミングで会社を設立すればいいのか」
など、判断に迷うこともあるでしょう。
勝浦行政書士事務所では、大阪府で警備業認定の取得を検討されている事業者様の申請をサポートしています。
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