大阪で警備業認定を受けたら他府県でも業務できる?必要な届出を解説

大阪で警備業認定を受けたら他府県でも業務できる?必要な届出を解説

大阪府で警備会社を開業し、警備業の認定を受けた後、
「大阪府内でしか警備業務はできないの?」
「京都府の現場から依頼が入った場合、新しく京都府でも認定を取る必要がある?」
と疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、大阪府公安委員会から警備業の認定を受けた警備業者が、京都府など他の都道府県で警備業務を行うには届出が必要となります。

他府県で業務をするたびに、新たに警備業の認定を取り直すわけではありません。

ただし、主たる営業所がある都道府県以外で初めて警備業務を行う場合には、警備業法に基づく届出が必要となります。

この記事では、大阪府を主たる営業所として警備業の認定を受けた会社が、京都府など他の都道府県で警備業務を行う場合の手続きについて解説します。

目次

警備業の認定は主たる営業所を管轄する公安委員会から受ける

警備業を営むためには、警備業法に基づき公安委員会から認定を受けなければなりません。

例えば、大阪府内に主たる営業所を設けて警備会社を開業する場合には、大阪府公安委員会へ認定申請を行います。
では、大阪府公安委員会から認定を受けた会社は、大阪府内でしか警備業務を行えないのでしょうか。

大阪府公安委員会から認定を受けた警備業者であっても、京都府、兵庫県、奈良県など、他の都道府県で警備業務を行うことは可能です。

例えば、大阪府に営業所を置く交通誘導警備会社が、京都府内の工事現場で交通誘導警備を行うことも考えられます。
この場合、京都府公安委員会から改めて警備業の認定を受け直す必要はありません。

しかし、大阪府で認可を受けた警備業者が他都道府県で警備業務を行う場合、届出が必要となるケースがあります。

他都道府県で警備業務を行う場合には届出が必要

他府県でも警備業務を行えるからといって、何の手続きもせずに業務を開始できるわけではありません。

警備業法第9条では、警備業者が主たる営業所の所在する都道府県以外の都道府県に営業所を設ける場合、または、その都道府県で警備業務を行おうとする場合には、当該都道府県を管轄する公安委員会へ届出書を提出することとされています。

そのため、例えば、

主たる営業所:大阪府
認定:大阪府公安委員会
新しく警備業務を行う地域:京都府

という場合には、京都府で初めて警備業務を行う前に、京都府公安委員会に対する届出が必要になります。

この手続きで使用するのが、「営業所設置等届出書」です。

京都府に営業所を作らなくても届出が必要

特に注意したいのが、京都府に新しい営業所を設けない場合でも届出が必要になることがあるという点です。

例えば、大阪の2号警備の警備事業者が、京都府の工事現場に交通整理の警備員を派遣する業務を請け負った場合、営業所を京都に設置する必要はありませんが、営業所設置届出を京都府公安委員会に出さなけらばならないケースがあります。

「大阪の営業所から警備員を京都の現場に派遣するだけだから、京都での手続きはいらないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、警備業法第9条は、「他都道府県に営業所を設ける場合」だけではなく、「他都道府県の区域内で警備業務を行おうとする場合」についても届出を求めています。

したがって、大阪の営業所に所属する警備員が京都府内の工事現場へ行き、交通誘導警備を行うようなケースでも、原則として京都府公安委員会への届出を確認する必要があります。

京都府警察も、認定を受けた警備業者が他府県で警備業務を行う場合には、営業所設置等の届出が必要であると案内しています。

30日以内・1日5人以内の警備業務なら届出が不要となる場合がある

ここまで、主たる営業所がある都道府県以外で警備業務を行う場合には、「営業所設置等届出書」の提出が必要と説明しました。

ただし、他都道府県で警備業務を行う場合でも、一定の小規模・短期間の警備業務については届出が不要となる例外があります。

警備業法施行規則第14条第1号では、警備業法第9条の届出の対象から除かれる警備業務として、
「当該都道府県の区域内において継続して行う期間が30日以内で、かつ、従事させる警備員の数が1日につき5人以内である警備業務」が定められています。

つまり、大阪府に主たる営業所がある警備会社が京都府で警備業務を行う場合でも、

  • 京都府内で継続して警備業務を行う期間が30日以内
  • 1日につき従事させる警備員が5人以内

この両方の条件を満たす場合には、他都道府県公安委員会への警備業法第9条の「営業所設置等届出書」は不要となります。

例えば、大阪府の警備会社が京都府内のイベント会場で「3日間だけ、1日4人の警備員を配置する」というケースであれば、この基準の範囲内となります。

一方、「工事現場で2ヶ月間警備を行う」「期間は10日間だが、1日8人の警備員を配置する」といった場合には、いずれかの条件を超えるため、この例外には該当しません。

短期間の応援や小規模なイベント警備などで他府県へ警備員を派遣する場合には、この例外規定に該当する可能性があります。

そのため、「大阪府外で警備業務をする=必ず営業所設置等届出書が必要」とは限らないことを覚えておきましょう。

営業所設置等届出書はいつまでに提出する?

他都道府県で警備業務を行うことが決まった場合は、届出のタイミングにも注意しましょう。

警備業法施行規則第11条では、営業所設置等届出書について、営業所を設け、または警備業務を行おうとする日の前日までに提出することとされています。

つまり、「京都での警備業務が終わってから届け出ればいい」という事後届出ではありません。

京都府で警備業務を開始する前に手続きを済ませておく必要があります。

急に他府県の警備現場を受注することになった場合には、届出を忘れないよう注意しましょう。

営業所を設置しない場合の届出先

大阪府の警備業者が京都府に営業所を設けず、京都府内で警備業務だけを行う場合には、警備業務を行おうとする場所を管轄する警察署長を経由して、京都府公安委員会へ営業所設置等届出書を提出します。

警備業務を行う場所が複数ある場合には、そのうちいずれか一つの場所を管轄する警察署を経由して提出する仕組みとなっています。

例えば、大阪府にしか営業所がない警備会社が京都市内の工事現場で初めて交通誘導警備を行う場合には、その警備現場を管轄する警察署を確認して手続きを進めることになります。

京都府に新しく営業所を設ける場合は取扱いが異なる

一方、単に京都府の現場で警備業務を行うのではなく、京都府内に新しい営業所を設置する場合には注意が必要です。

この場合も警備業法第9条に基づく営業所設置等届出書が必要ですが、提出先は、原則として新しく設置する営業所の所在地を管轄する警察署を経由して京都府公安委員会となります。

さらに、新しく営業所を設置して警備業務を行うのであれば、警備員指導教育責任者の選任など、営業所として満たさなければならない要件についても確認する必要があります。

「京都の現場に大阪から警備員を派遣する」のと、「京都に営業所を新設する」のとでは、同じ他府県への進出でも考え方が異なるため注意しましょう。

他府県で警備業務を行うたびに届出が必要?

ここも間違えやすいポイントです。

警察庁の警備業法の解釈運用基準では、警備業法第9条に基づく「営業所設置等届出書」は、主たる営業所が所在する都道府県以外の区域において、初めて営業所を設ける場合、または初めて警備業務を行おうとする場合に提出するものとされています。

例えば、大阪府で認定を受けた警備会社が、一定の条件を超えて京都府で初めて警備業務を行う場合には、京都府公安委員会への届出が必要となります。

ここで注意したいのが、「営業所設置等届出書」という名称であっても、京都府内に営業所を新しく設置する場合だけの届出ではないということです。

京都府に営業所を設置せず、大阪府の営業所から警備員を京都府内の現場へ派遣する場合でも、前述した「30日以内・1日5人以内」などの例外に該当しなければ、営業所設置等届出書の提出が必要となります。

一方で、京都府で警備業務を行うたびに、毎回この届出を提出する必要があるわけではありません。

一度、京都府公安委員会へ営業所設置等届出書を提出していれば、その後、京都府内で別の警備現場を受注するたびに、新たに同じ届出を行うという仕組みではありません。

つまり、

「他府県で警備業務を行うたびに届出」ではなく、「その都道府県で初めて一定の警備業務を行う際に届出」

と考えると分かりやすいでしょう。

ただし、営業所設置等届出書に記載した内容に変更が生じた場合などには、別途変更の届出が必要となることがあります。

他府県での警備業務が増えてきた場合には、最初に提出した届出の内容と現在の営業実態に相違がないかについても確認しておきましょう。

他府県での警備業務をやめた場合にも届出がある

例えば、大阪で警備業の認定を受けた事業者が、京都府で継続的に警備業務を行っていたものの、その後、京都府内で警備業務を行わなくなった場合にも手続きがあります。

警備業自体を廃業するわけではなく、特定の都道府県で警備業務を行わなくなった場合には、「都道府県内廃止届出書」による手続きが必要になる場合があります。

他府県への進出時だけではなく、撤退時にも必要な届出があることを覚えておきましょう。

まとめ

大阪府で認定を受けた警備会社であっても、京都府や兵庫県など、他の都道府県で警備業務を行うことは可能です。

また、他都道府県で警備業務を行う場合でも、「30日以内」かつ「1日につき警備員5人以内」など、警備業法施行規則で定められた条件に該当する場合には、警備業法第9条に基づく届出を行わずに警備業務を行うことができます。

一方、この例外に該当しない場合には、警備業務を開始する前に、業務を行う都道府県の公安委員会へ「営業所設置等届出書」を提出する必要があります。

「大阪府で認定を受けているから、全国どこでもそのまま警備業務ができる」と考えてしまうと、必要な届出を見落としてしまう可能性があります。

警備業に関する法令や手続きは、知っているかどうかで対応が大きく変わります。しかし、必要な届出を知らなかったとしても、それだけで届出義務がなくなるわけではありません。

警備会社が認定を受けた都道府県以外で警備業務を行う場合には、「他府県でも業務はできるが、業務の期間や警備員数などによっては事前の届出が必要になる」ということを理解しておくことが重要です。

他都道府県で新たに警備業務を行うことになった場合には、業務を開始してからではなく、受注した段階で届出の必要性を確認しておくことをおすすめします。

他都道府県で警備業務を行う際の届出は当事務所へご相談ください

「大阪の警備会社だけど、京都で新しい警備案件を受注した」
「他府県の現場でも営業所設置等届出書が必要なのか分からない」
「急に他府県での警備業務が決まり、必要な手続きを確認したい」

このような場合は、警備業務を開始する前に必要な届出を確認しておくことが重要です。

他都道府県で警備業務を行う場合でも、業務を行う期間や1日あたりの警備員数などによって、営業所設置等届出書が必要となる場合と、届出が不要となる場合があります。

また、新たに営業所を設置するのか、大阪府の営業所から警備員を派遣するのかによっても確認すべき事項が異なります。

勝浦行政書士事務所では、警備業の実務経験を活かし、警備業に関する各種手続きをサポートしています。

大阪府で認定を受けた警備会社が、京都府・兵庫県・奈良県など他府県で新たに警備業務を行うことになった場合もご相談ください。

「この案件は届出が必要なのか?」「営業所を置かない営業所等設置届の場合、警備員指導教育責任者の選任は必要なの?」という段階から確認いたします。

他府県での警備案件を受注したものの、必要な手続きが分からない場合は、警備業務を開始する前にお気軽にお問い合わせください。

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