一般貨物自動車運送事業の許可取得後、
「車両を増やした」
「営業所を移転した」
「休憩施設を変更した」
など、事業内容に変更が生じることは珍しくありません。
しかし、これらの変更は 運輸支局への手続きが必要 であることをご存じでしょうか。
変更手続きを行わないまま事業を継続してしまうと、行政指導や処分の対象となる可能性もあります。
この記事では、
- 事業計画変更を怠った場合のリスク
- 変更認可・届出が必要なケース
- 手続きをスムーズに進めるためのポイント
を分かりやすく解説します。
事業計画変更認可申請を行わない場合のリスク
一般貨物自動車運送事業の変更認可申請(営業所や車庫の移転、増設など)を怠ると、運輸支局の巡回指導・監査で指摘され「行政処分」や「罰金」の対象となる可能性があります。
行政指導・監査時の指摘対象になる
巡回指導や監査の際、許可内容と実態が異なる場合、是正指導の対象になります。
悪質と判断されれば行政処分の可能性
無断変更の内容や程度によっては、以下のような処分につながる可能性があります。
- 事業改善命令
- 車両使用停止
- 事業停止処分
運送事業は許可事業であるため、
許可内容と異なる運営は重大な問題 と判断されます。
変更認可申請が必要なケース

運送事業運営の中で、次のような変更があった場合は手続きが必要です。
- 営業所の新設・移転・廃止
- 車庫の新設・移転・廃止
- 事業用自動車の種別の変更
- 貨物利用運送をする
- 事業用自動車の数の変更(基本台数を下回る場合)
- 休憩・睡眠施設の新設・移転・廃止及び収容能力の変更
- 運送約款の変更
一般貨物自動車運送事業では、事業用自動車の台数は原則として5台以上を維持する必要があります。
そのため、減車により保有台数がこの基準を下回る変更認可申請は、災害や事故などの例外的な事情がある場合を除き、通常は認められません。
例えば、
- 経営上の理由による車両削減
- ドライバー不足を理由とした減車
といったケースでは、基本台数を下回る減車は認可されない可能性が高いため注意が必要です。
事業計画の見直しや車両の入替えを検討する際は、許可要件を満たしているか事前に確認することが重要です。
基本台数を下回らない減車や増車は変更認可申請の必要はなく、変更届出で済みます。
特に注意したい変更事項のポイント

特に注意したい変更事項は、「営業所」「車庫」の移転や新設です。
運送業の「営業所」「車庫」は設置できる要件が厳しく定められています。
要件に該当しない場所や土地だった場合、「営業所」「車庫」に変更は認可されません。
- 都市計画法の市街化調整区域
- 土地の地目項目
- 事業用自動車の種別の変更
- 車庫との距離
- 土地の地目項目
- 収容能力(広さ)
- 全面道路の幅員
- 屋根付きの場合、都市計画法の市街化調整区域
- 事業用自動車の数の変更(基本台数を下回る場合)
- 運送約款の変更
営業所の移転
営業所の移転を行う際に、特に注意したいのが 用途地域 と 使用権限 の確認です。
まず、運送業の営業所は、都市計画法上の市街化調整区域や農地に設置することはできません。
ここでいう農地とは、「見た目が田畑である土地」ではなく、土地登記簿の地目が「田」や「畑」になっている土地を指します。
一見すると砂利敷きの空き地のように見える場所でも、登記上は農地のままになっているケースがあります。契約前に必ず登記情報を確認することが重要です。
次に、営業所として使用できる権限(使用権限)の証明が必要になります。
- 自己所有の場合:登記簿謄本で証明
- 賃貸の場合:賃貸借契約書で証明
賃貸物件を使用する場合は、2年以上の使用権限が求められます。そのため、
- 契約期間が2年以上であること
- 自動更新の条項があること
を契約書に明記しておく必要があります。
また、契約書には 事務所(営業所)として使用することを認める旨 の記載も必要です。
営業所の移転は契約締結後に問題が発覚すると対応が難しくなるため、事前確認を徹底することが大切です。
車庫の位置・面積変更
車庫の移転や新設を行う際に特に注意したいポイントは、土地の地目・前面道路の幅員・面積の3点です。
■ 土地の地目に注意
運送業の車庫は、営業所と同様に農地に設置することはできません。
ここでいう農地とは、見た目ではなく、登記簿上の地目が「田」や「畑」になっている土地を指します。
砂利敷きの空き地のように見えても、登記上は農地のままというケースもあるため、候補地の登記簿謄本で地目欄を必ず確認しましょう。
なお、屋根のない車庫(無蓋車庫)の場合は、営業所とは異なり、市街化調整区域内でも設置が可能です。
■ 前面道路の幅員要件
車庫の出入口に接する道路は、次の基準を満たす必要があります。
- 車両制限令に適合した幅員であること
- 交通安全上支障がないこと
また、前面道路が国道である場合は、原則として車両制限令に適合しているものとみなされます。
車両制限令では、道路の種類や区域に応じて通行可能な車両のサイズが定められています。
例えば、一般的な4トントラックの車幅は約2.13mのため、2.5m幅の車両が安全に通行できる道路幅員が必要とされます。

一般的に運送業の車庫の前面道路幅が6.5m以上必要と言われる理由は、最大で6.5mの全面道路幅が必要となる条件があるからです。
■ 面積要件の確認
車庫は、配置する車両すべてを適切に収容できる十分な広さが必要です。
単に駐車できるだけでなく、安全に出入り・転回できるスペースが確保されているかも審査の対象となります。
「トラックと壁」や「トラックとトラックの間」は50cm以上の間隔を確保する必要があります。
運送業の車庫は、ギリギリ所有のトラックが収まる広さでは認可が下りない可能性がありますので、注意が必要です。

車庫の要件は、契約後や工事後に不適合が判明すると対応が難しくなる場合があります。
候補地の段階で要件を確認しておくことが重要です。
自分で手続きする際のハードル

変更認可申請では、以下の準備が必要になります。
- 土地・設備などの要件を満たしているかの確認
- 施設などの使用権原を証する書面準備
- 全面道路の幅員照明の取得
- 配置図・求積図などの図面の作成
- 事業計画変更に関する書類一式の準備
これらの準備を整えたうえで、管轄の運輸支局にて手続きを行う必要があります。
提出書類に不備があったり、要件を満たしていない点がある場合は、補正や再提出を求められ、認可までの期間が長引く可能性があります。
さらに、補正のたびに運輸支局とのやり取りが発生するため、手続きにかかる時間的・事務的な負担は想像以上に大きくなることも少なくありません。
専門家に相談するメリット
変更認可申請は、内容によって審査ポイントが大きく異なります。
専門家に相談することで
✔ 要件適合の事前チェック
✔ 必要書類の漏れ防止
✔ 図面・資料作成のサポート
✔ 補正リスクの軽減
✔ 手続きのスムーズな進行
など、事業への影響を最小限に抑えることができます。
変更が発生しそうな段階での相談が重要です
変更内容によっては、
- 契約前の確認
- 工事前の調査
- 車庫選定時の要件確認
などが重要になるケースもあります。
実行後では対応が難しくなる場合もあるため、計画段階での確認が安心です。
まとめ
事業計画の変更は、運送事業を継続・発展させる中で避けて通れません。
しかし、必要な手続きを怠ると
- 行政指導や処分のリスク
- 監査対応の負担増
- 取引先からの信用低下
といった問題につながる可能性があります。
変更が生じた際は、手続きの必要性を確認し、適切に対応することが重要です。
手続きに不安がある事業者様へ
変更内容によって必要書類や審査ポイントは異なります。
「この変更は認可が必要?」
「要件を満たしているか確認したい」
といった段階でのご相談も可能です。
本業に専念しながら安心して事業運営を行うために、専門家のサポートを活用するという選択肢もご検討ください。
勝浦行政書士事務所では、一般貨物自動車運送事業の許認可申請代行を行なっております。
運行車の車両数の変更・車庫の拡大・車庫の移転・営業所の移転など、事業計画変更認可申請が必要なケースは多々あります。
「日常業務が忙しく、必要書類の手配ができない」「手続きが難しく何をして良いかわからない」といった事業者様は、ぜひ当事務所までご相談ください。
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当事務所代表行政書士は運送事業の経験者です。
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