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運送業を始めるためには何が必要?許可要件をわかりやすく解説

運送業の要件

運送業はトラックがあり、運転者がいれば始められるというのもではなく、運送事業を始めるためには、様々な要件をクリアしなければなりません。

運送業を始めるためには行政(国土交通省または地方運輸局長)の許可を得る必要があります。

許可申請の審査項目や適応基準は30ページを超えるPDFの量になっています。
はじめて見る方には『良くわからない』という部分もあるかもしれません。

そこで、この記事では運送業許可を得るための要件をわかりやすく簡潔に解説します。

一般貨物自動車運送事業と貨物軽自動車運送事業の違い

荷物を運ぶ運送業である貨物運送事業には、「一般貨物自動車運送事業」「特定貨物自動車運送事業」「貨物軽自動車運送事業」があります。

この中で、「貨物軽自動車運送事業」は届出制ですが、「一般貨物自動車運送事業」と「特定貨物自動車運送事業」は取得要件が難しくなる許可制となります。

特定貨物自動車運送事業とは、トラックを使用して単一特定の荷主から運送の依頼を受け、荷物を運送し、運賃を受ける事業をいい、メーカーや商社の配送を担当する系列会社などがそれに当たります。

この記事では、普通トラックなどを使用する「一般貨物自動車運送事業」の許可要件について解説します。

POINT

軽自動車を使用する運送業は「届出制」普通トラックを使用する運送業は「許可制」

運送業の許可要件

運送業の許可要件

運送業の許可要件は大きく分けて5つの分野に分類できます。

  1. 人の要件
  2. 場所の要件
  3. 資金の要件
  4. 車の要件
  5. 法令試験

一つでもクリアできない要件があると、運送業の許可を取得することができませんので、運送業を始めることができなくなってしまいます。

要件を一つ一つ簡潔に解説していきます。

人の要件

運送業を始めるためには、人の要件があります。
一般貨物自動車運送事業においては、運転手を最低5人確保する必要があり、「運行管理者」「整備管理者」を選任することも必要となります。

運転手を5人・運行管理者を1人・整備管理者を1人と少なくても7人必要に思われますが、「整備管理者と運行管理者の兼任」または「運転手と整備管理者の兼任」を行うことで、6人の人材で運送業を始めることも可能となります。

POINT

運送業を始めるためには最低でも6人の人材が必要

場所の要件

運送業における場所の要件は非常に重要なものになります。

消防法や都市計画法などの関係法令に抵触しないことが必要ですが、わかりやすく簡単に主な要件を抜粋します

  1. 営業所は市街化調整区域には設置できない
  2. 営業所も車庫も農地には設置できない
  3. 車庫と営業所の距離が遠過ぎたらダメ
  4. 車庫の全面道路の幅が狭過ぎたらダメ
  5. 車庫の大きさは、ぎりぎりトラックが収まる面積ではダメ

①の市街化調整区域とは、営農環境や自然環境の保全のため市街化を抑制する区域のことです。
原則として建物の建設ができません。
基本的に運送業の営業所は市街化調整区域には設置できなたいめ、市街化調整区域以外の場所を選定する必要があります。

資金の要件

運送業(一般貨物自動車運送事業)の許可を得るために大きなハードルとなるのが資金要件です。

資金要件とは、簡単にいえば『運転資金をまかなうだけの自己資金を持っているかどうか』ということです。

一般貨物自動車運送事業の許可要件・審査項目・適合基準の中に、自己資金が○○○○円以上必要という具体的な金額は指定されていません。

事業開始のに要する資金には以下のものがあります。

  1. 人件費
  2. 燃料油脂費及び修繕費
  3. 車両費
  4. 建物費
  5. 土地費
  6. 器具・工具什器・備品等
  7. 保険料
  8. 各種税
  9. その他

その他の項目には、「道路使用料、光熱水料、通信費、広告宣伝費等の2月分」が該当します。

許可取得の資金要件において、具体的にいくら以上必要ということは審査項目の中に明記されていませんので戸惑うところですが、
一般的な規模の会社であれば、1500万円から2000万円くらいが目安になります。

自己資金が確保できていることの証明として、銀行の残高証明を提出する必要があります。
残高証明は、「申請時」と「申請後に管轄運輸支局が指定する日」のものと、2回提出しなければばりません。
2回目の残高証明時に必要資金を下回らないようにすることが必要です。

車の要件

基本的に車両は営業所ごとに5台以上用意することが必要です。

適合基準には、「計画する自動車にけん引自動車及び被けん引自動車を含む場合の車両数の算定方法は、けん引自動車+被けん引自動車」を1両とする」とあります。

要は、牽引車両を1台・被牽引車両を1台の2台と計算はできず、両方セットで1台として算入するということです。

POINT

車両は営業所ごとに5台以上の確保が必要

法令試験(役員法令試験)

運送業(一般貨物自動車運送事業)の事業許可を取得するには、運送業に関する法令試験に合格しなければなりません。

法令試験は、法人であれば運送業担当の常勤役員のうち1名が、個人事業主であれば事業主本人が受験する必要があります。

法令試験は2ヶ月に1度(奇数月)に実施されます。
問題は30問出題され、合格基準は8割以上となっています。

合格率は80%程度であり、不合格の場合、一度だけ再受験が可能となります。
再受験でも不合格となってしまうと運送業許可の申請は却下されてしまいます。

万一、不合格となり、申請を取り下げたとしても、再度許可申請を行えば法令試験を受験することが可能です。

2回不合格となってしまっても、運送業を行える可能性がなくなるわけではないですが、順調に許可申請が進むのに比べて、かなりの時間がかかることになってしまいます。

法令試験は運輸局のホームページに過去問が掲載されているので、過去問を解きながら該当の条文を確認するなどの準備をすることが大切です。(過去問はこちらから確認→近畿運輸局HP

まとめ

運送業の新規許可取得には「営業所や車庫となる土地の選定」「人材の確保」「資金の確保」など、様ざな要件やクリアしなければならないハードルがあります。

許可基準を把握していないと、何から準備して良いかもわかりません。
大枠の審査基準を知ることで、何が必要か理解することができます。

しかし、実際の申請にはより細かな要件が関わってくることがあります。
運送業許可申請は他の許可申請と比べても非常にハードルが高いものとなっています。
運送業許可取得をご検討中の方は、ぜひ勝浦行政書士事務所にご相談ください。

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勝浦行政書士事務所では、一般貨物自動車運送事業の許認可申請代行を行なっております。
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当事務所代表行政書士は運送事業の経験者です。
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