軽貨物運送(黒ナンバー)で仕事を始めようと考えている方の中には、『黒ナンバーを取得すればすぐに事業が始められる』と考えている方も少なくありません。
しかし、2025年4月の「貨物軽自動車運送事業の安全管理者制度の改正」により、黒ナンバーを取得したからといって、すぐには事業を始めることができなくなりました。
この記事では、
- 貨物軽自動車運送事業の適性診断とは
- 誰が受ける必要があるのか
- 適性診断の内容
- 受診のタイミング
について分かりやすく解説します。
貨物軽自動車運送事業の適性診断とは
2025年4月の法改正により、貨物軽自動車運送事業者には「安全管理者の選任」と「適性診断の受診」などの安全対策が新たに義務付けられました。
適性診断とは、ドライバーの運転傾向や注意力、心理的な特性などを客観的に測定する検査です。
診断は、国土交通大臣の認定を受けた機関で受けることができます。
適性診断の受診が義務付けられているのは、主に次のような運転者です。
- 初任運転者
- 高齢運転者
- 重大な事故を起こした運転者
このため、2025年4月以降に軽貨物運送事業を開始する場合、初めて事業用車両を運転する「初任運転者」は適性診断を受診する必要があります。
適性診断の受診時期と種類
適性診断は受ける診断によって受講のタイミングが変わります。
| 適性診断の種類・対象者・受診時期 | ||
|---|---|---|
| 診断の種類 | 対象者 | 受診時期 |
| 初任診断 | 初任運転者(過去に1度も特別な指導・適性診断を受けていない者) | 初めて事業用自動車に乗務する前に受診。 やむを得ない事情がある場合は乗務開始後1ヶ月以内に受診 |
| 適齢診断 | 65歳以上の運転者 | 年齢が65歳に達した日以後、1年以内に受診 |
| 特定診断Ⅰ・Ⅱ | 死者又は重傷者を生じた交通事故を起こした者 | 再度乗務する前に受診。 やむを得ない事情がある場合は乗務再開後1ヶ月以内に受診 |
2025年4月より以前に貨物軽自動車運送事業を始めた方は、適性診断の受診が2028年3月までに受診する猶予期間が設けられています。
しかし、2025年4月以降に貨物軽自動車運送事業を始めた方には猶予期間がありません。
適性診断はどこで受けられる?

貨物軽自動車運送事業の適性診断は、NASVA(自動車事故対策機構)や、認定された自動車教習所、外部教育機関で受講することが可能です。
一般的な受診の流れは次の通りです。
まずは適性診断を実施している機関を探します。
多くの場合、以下の機関で受診が可能です。
- 自動車事故対策機構(NASVA)
- 国土交通大臣認定の適性診断実施機関
- 一部の安全運転研修機関
NASVAの場合は、公式サイトから全国の診断実施会場を確認することができます。
適性診断は予約制になっていることが多いため、事前に予約を行います。
予約方法は機関によって異なりますが、一般的には次の方法があります。
- インターネット予約
- 電話予約
- 窓口での予約
地域によっては予約が混み合うこともあるため、早めに予約しておくと安心です。
予約した日時に会場へ行き、適性診断を受けます。
診断では、専用の機器やテストを使って運転特性を測定します。
主な検査内容は次のとおりです。
- 反応速度の測定
- 注意力の検査
- 判断力の検査
- 運転に関する性格傾向の分析
診断時間は種類にもよりますが、おおむね1時間〜2時間程度で終了することが一般的です。
診断が終わると、結果の説明を受けます。
結果では次のような内容が示されます。
- 自分の運転特性
- 事故につながりやすい行動傾向
- 安全運転のためのアドバイス
この結果を参考に、自分の運転のクセや注意点を把握し、今後の安全運転に活かしていきます。
貨物軽自動車運送事業では、適性診断の受診記録を安全管理の記録として保管しておくことが重要です。
貨物軽自動車運送事業者は「適性診断の受診状況を貨物軽自動車運転者等台帳を作成し、営業所に備えおかなければならない」とされています。
個人事業主の場合は誰が受診する?
貨物軽自動車運送事業は、個人事業主として始める方が多く見られます。
個人事業主として開業する場合、自ら事業用車両を運転して業務を行うのが一般的です。
この場合、事業主本人が「初任運転者」に該当し、適性診断を受診する必要があります。
そのため、個人事業主として新たに貨物軽自動車運送事業を始める場合は、事業用自動車に乗務する前に適性診断を受けるのが原則です。
まとめ
貨物軽自動車運送事業において、適性診断は2025年4月の「貨物軽自動車運送事業の安全管理者制度の改正」により全ての事業者に義務化されました。
軽貨物運送事業は比較的始めやすい事業ですが、
届出手続きや必要書類など、制度面で分かりにくい部分もあります。
開業準備や手続きに不安がある場合には、専門家へ相談することでスムーズに進めることができます。
無理なく事業をスタートするためにも、状況に応じて専門家の活用を検討してみるのも一つの方法です。
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