飲食店を経営している方の中には、
- 「気づいたら深夜営業していた」
- 「届出が必要だと知らなかった」
- 「開業時にバタバタしていて手続きが漏れていた」
といったケースも少なくありません。
しかし、深夜営業の届出(深夜酒類提供飲食店営業開始届出)を行わずに営業している場合、風営法違反となる可能性があります。
本記事では、
「届出を忘れていた場合にどうなるのか」
「どのように対応すればよいのか」
を、行政書士の視点からわかりやすく解説します。
深夜営業の届出とは?
深夜営業とは、一般的に午前0時以降に酒類を提供する営業を指します。
この場合、通常の飲食店営業許可とは別に、店舗を管轄するエリアの警察署を通じ「深夜酒類提供飲食店営業開始届出」を提出する必要があります。
この届出は、主に主食を提供する飲食店(牛丼店やラーメン店など)は提出する必要がなく、お酒の提供をメインとする飲食店(Barやスナック、居酒屋など)が提出する義務があるものです。
ポイントは以下の通りです。
- 保健所の許可とは別の手続き
- 警察(公安委員会)への届出
- 営業開始の10日前までに提出が必要
つまり、知らなかったでは済まされない法的義務となっています。
届出を忘れていた場合どうなる?
深夜営業の届出をせずに深夜営業を行なっていた場合のリスクには以下のものがあります。
- 風営法違反となる可能性
- 警察の指導・是正対応
- 悪質な場合は罰則の可能性
深夜営業の届出をせずに営業している場合、無届営業として風営法違反に該当する可能性があります。
特に、酒類の提供がメインである場合は注意が必要です。
警察の指導や是正指示に従わず営業を継続した場合や、悪質と判断された場合には、「営業停止や罰金」といった罰則が考えられますが、いきなり罰則といった事案は少ないでしょう。
バーや居酒屋のオーナー様から、
「実は深夜営業の届出をしていなかったのですが、今からでも間に合いますか?」
「最初は0時で閉めていたのですが、お客さんが残っているとついそのまま営業してしまっていて…問題ありますか?」
といったご相談を受けることがあります。
結論からいうと、深夜営業の届出は、あとからでも提出すること自体は可能です。
そのため、
- 届出をしていなかったことに気づいた
- 営業時間が結果的に深夜に及んでしまっている
といった場合でも、適切に対応すれば是正することが可能です。
「バレないから大丈夫」は危険
よくある誤解として、
- 「周りもやっているから大丈夫」
- 「今まで何も言われていない」
という考えがあります。
しかし、深夜営業は
- 騒音トラブル
- 近隣住民からの苦情
- 酔客による問題
などが発生しやすく、通報をきっかけに発覚するケースが非常に多い分野です。
また、一度問題になると、過去の営業状況まで確認される可能性もあります。
よくあるNGパターン
- 飲食店の許可があるから大丈夫だと思っていた
- 深夜営業=自由営業だと思っていた
これらはすべて、実務上よくある誤解です。
また、深夜営業には、届出が必要な営業形態と不要な営業形態が存在するため、
お酒を提供している店舗であっても「自分の店は届出不要だろう」と判断してしまい、結果として無届のまま営業しているケースも少なくありません。
しかし、実際には営業の実態によって判断されるため、自己判断で「不要」と決めつけてしまうのは非常に危険です。
届出を忘れていた場合の正しい対応
深夜営業の届出を忘れていた場合に行う対応は以下のものです。
- 手続きが完了するまでは営業時間を0時までにする
- 深夜営業届出の手続きを行う
- 深夜営業の届出を行ってから10日経過した日から0時以降のを行う
「深夜営業の届出を忘れていた」「深夜営業を行うのに届出が必要だった」と気づいた時点で、”深夜営業の届出の準備”と”営業時間を0時までに変更する”ことをなるべく早く行う必要があります。
「深夜酒類提供飲食店営業」は風営法の適用を受けますので、設備や場所の要件が飲食店営業許可をは違うものになります。
- 客室の構造
- 見通しの確保
- 照度基準
- 区画の取り方
など、細かな基準があります。
図面も、飲食店営業許可の図面をそのまま使うことはできないため、現地に合わせた正確な図面作成が必要です。
それらを準備する期間+届出を提出してからの10日間はかかるため、無届状態に気づいた場合は、できるだけ早く届出を行うことが重要です。
まとめ
深夜営業の届出は、あとからでも提出すること自体は可能です。
ただし「すぐに出せば何の問題もない」というわけでもありません。
深夜酒類提供飲食店営業の届出には、以下のようなポイントがあります。
- 営業開始の10日前までに提出が必要
- 店舗の構造や設備が基準に適合していること
- 図面が風営法の基準に沿って正確に作成されていること
つまり、本来は事前に準備を整えたうえで行うべき手続きであり、後からの対応には注意が必要です。
もし、届出を行わないまま営業を続けてしまうと、
- 無届営業として風営法違反に該当する可能性
- 警察からの指導や是正対応
- 営業への影響
といったリスクがあります。
無届だと分かった時点で適切な対応を行うことが重要です。
深夜酒類提供飲食店営業届出のサポートはお任せください
深夜営業の届出は、単に書類を提出するだけでなく、
- 営業形態の判断
- 図面の適法性確認
- 要件への適合チェック
など、専門的な判断が求められる手続きです。
「自分の店舗が届出対象かわからない」
「今の状態で問題ないのか不安」
といった場合は、お気軽にご相談ください。



