貨物利用運送事業を始めるにあたって、意外と悩まれるのが「営業所の場所」です。
「営業所はどこでもいいのか?」
「自宅でも問題ないのか?」
「レンタルオフィスは使えるのか?」
こうしたご相談は非常に多くいただきます。
結論から言うと、貨物利用運送事業の営業所も一般貨物自動車運送事業の営業所と同様に都市計画法等の要件をクリアしなければなりません。
営業所の選び方を誤ると、
- 登録がスムーズに進まない
- 後から変更手続きが必要になる
- 実態と合わずトラブルになる
といったリスクもあります。
この記事では、貨物利用運送事業における営業所の基本ルールから、失敗しないための具体的なポイントまでをわかりやすく解説します。
貨物利用運送事業の営業所とは?
まず前提として、貨物利用運送事業における「営業所」とは、単なる住所ではなく、
- 事業の拠点として機能する場所
- 実際に業務を行う場所
を指します。
具体的には、
- 顧客対応(電話・メールなど)
- 配車・手配業務
- 書類の管理
といった業務を行う拠点である必要があります。
営業所はどこでもいいのか?

貨物利用運送事業の営業所も一般貨物自動車運送事業の営業所と同様に、都市計画法等に抵触しないことが必要となります。
- 市街化調整区域には設置できない
- 用途地域が住居系の場所は制限がある
- 使用権限があること
市街化調整区域に営業所は設置できない
市街化調整区域とは、都市計画法に基づき、市街化を抑制するために指定された区域のことをいいます。
この区域では、原則として建物の建築や用途変更が制限されており、特別な許可がなければ自由に建物を使用することはできません。
自社のトラックで運送を行う「一般貨物自動車運送事業」では、市街化調整区域に営業所を設置することはできませんが、これは貨物利用運送事業においても同様です。
貨物利用運送事業は、車庫要件がないことから、
「マンションの一室を営業所にしたい」と考える方も多くいらっしゃいます。
しかし、そのマンションが市街化調整区域内にある場合、
そもそも営業所として使用するための土地利用の要件を満たしません。
そのため、営業所の候補地を検討する際は、建物の種類や利便性だけでなく、都市計画上の区域区分(市街化区域か市街化調整区域か)を事前に確認することが重要です。
住居系用途地域
用途地域(ようとちいき)とは、都市計画法に基づき、住居、商業、工業など13のエリアに土地を区分し、建物の種類や規模を制限するルールのことです。
住居系用途地域の中に、「第一種低層住居専用地域」があります。
「第一種低層住居専用地域では、事務所(営業所)は住居兼事務所でしか認められないため、営業所を探す際は用途地域も確認する必要があります。
使用権限
営業所の物件が、自己所有のものであれば、不動産の登記簿謄本において、使用権限を有することの裏付けとすることができます。
一方、賃貸の場合、賃貸借契約書が、使用権限を有することの裏付けになります。
賃貸借契約書に「事務所として使用する」旨の文言が必要となります。
レンタルオフィス・バーチャルオフィスは使える?

結論から言うと、「レンタルオフィスは認めらる可能性が高い」「バーチャルオフィスは認められない」となります。
レンタルオフィス → 条件付きで可能
レンタルオフィスは、
- 専有スペースがある
- 実際に業務ができる
といった条件を満たせば、営業所として使用可能です。
バーチャルオフィス → 不可
一方で、バーチャルオフィスは
住所だけ借りているケースが多いため、営業所として認められない可能性が高いです。
実態がないと判断されますので、営業所として認められないと考えておくのが無難です。
まとめ
貨物利用運送事業の営業所は、比較的自由に決められる一方で、
- 実態があること
- 関係法令に抵触しないこと
- 使用権限があること
といった基本要件を満たす必要があります。
「どこでもいい」と考えて安易に決めてしまうと、
- 登録時のトラブル
- 後からの変更手続き
- 事業運営の非効率
といった問題につながる可能性があります。
営業所の選び方は、単なる住所の問題ではなく、事業の土台を決める重要なポイントです。
ご相談ください|営業所選びからサポート可能です
貨物利用運送事業の登録では、
- 営業所の適否判断
- 書類作成
- 運輸局との調整
など、専門的な判断が必要になる場面も多くあります。
「この場所で問題ないのか不安」
「どこに営業所を置くべきか迷っている」
といった場合は、事前に専門家へ相談することで、スムーズに手続きを進めることができます。
当事務所では、営業所の選定段階からサポートしておりますので、お気軽にご相談ください。





