飲食店の開業を目指す方にとって、「許可の申請ってどうすればいいの？」「役所の手続きが複雑で不安…」といった悩みはつきものです。
そんなときに心強い味方となるのが、行政書士です。
この記事では、飲食店開業に際して行政書士に依頼することのメリットとデメリットを、行政書士の視点からわかりやすく解説します。
実際にご自身で手続きを進めるか、専門家に依頼するかを検討する際の参考になさってください。
飲食店開業に必要な主な許可・届出とは？
まず、飲食店を営業するためには、次のような許可・届出が必要です。
- 飲食店営業許可
- 食品衛生責任者の設置
- 防火管理者の選任（一定規模以上）
- 深夜酒類提供飲食店営業開始届(深夜にお酒を提供する場合）
- 風俗営業の届出（カラオケ喫茶・Barなど）
- 開業届（税務署）
- 法人設立関連手続き（法人として開業する場合）
これらの手続きは管轄する行政機関が異なり、提出書類やスケジュールもバラバラ。
慣れない方にとっては大きなハードルとなります。
行政書士に依頼するメリット
メリット①：手続きを丸ごと代行してくれる安心感
飲食店開業に必要な許可申請や書類作成は、行政書士の主要業務の一つ。
煩雑な申請書類の作成から、役所とのやり取り、提出までを一括して任せることができます。
飲食店営業許可を取得するには、出店予定の土地の要件など抑えなければいけない要件が数多くあります。
必要な法律の知識を備えていないと、許可が下りるまでに時間がかかったり、最悪の場合、許可が下りないといった事態になりかねません。
法律に精通した行政書士がサポートすることにより、事業主は本業に専念しながら、スムーズに開業準備を進めることができます。
メリット②：審査通過率が上がる
行政書士は申請の「通りやすい書き方」や「審査官がチェックするポイント」を熟知しています。
よくあるミス（図面の不備、添付書類の漏れなど）を防ぎ、初回でスムーズに許可が下りる可能性が高まります。
飲食店営業許可の取得には、「人的要件」「場所の要件」「設備要件」など、法的な要件が数多くあります。
例えば、都市計画法の用途地域で住宅系の土地では深夜営業はできません。
そういった知識がないと、申請はしたものの許可が下りないといった事態になってしまいます。
行政書士がサポートすることにより、法的な要件を満たしているかを事前にチェックすることが可能です。
メリット③：他の専門家と連携できる
行政書士によっては、税理士・社労士・司法書士などと連携してワンストップでサポートしてくれる場合もあります。
- 税理士と連携して開業届や青色申告の準備
- 司法書士と連携して会社設立登記
- 社労士と連携して従業員を雇用する際の労務手続き
飲食店経営に必要な体制づくりをトータルで支援できることは、開業準備に多忙な事業者の大きな助力となります。
行政書士に依頼するデメリット
もちろん、すべてのケースで行政書士に依頼すべきとは限りません。
以下のようなデメリットも存在します。
デメリット①：費用がかかる
最大のデメリットはコストです。
依頼内容によって異なりますが、以下は目安の費用です。
- 飲食店営業許可：5〜10万円程度（申請手数料除く）
- 深夜酒類提供届出：8〜15万円程度
- 法人設立手続き：15〜20万円程度（登記費用含む）
自分で手続きをすれば費用は抑えられますが、その分時間と手間がかかること考慮することが必要です。
デメリット②：すべての行政書士が飲食店に詳しいとは限らない
行政書士の業務範囲は広く、「相続・遺言」「建設業許可」「入管業務」など、専門分野も多岐にわたります。
したがって、飲食店開業支援の知識がない行政書士に依頼してしまうと、ノウハウ不足で思わぬトラブルになることもあります。
デメリット③：一部手続きは本人でないとできない
行政書士などの専門家に依頼すると、「手続き」は、ある程度丸投げすることができるのは事実です。
しかし、代理では認められなく申請者本人でないといけないものもあります。
例えば、食品衛生責任者の講習受講などは本人が出席しなければなりません。また、内装工事業者との打ち合わせなど、現地対応が必要な部分は依頼者自身の判断が必要です。
行政書士に依頼するべき人とは？
では、実際に行政書士に依頼するべきなのはどんな方なのでしょうか？以下のような方には特におすすめです。
- 初めて飲食店を開業する方
- 本業が忙しく、手続きを行う時間がない方
- できるだけスムーズに、最短で開業したい方
- 夜間営業や風営法の対象となる店舗を開業予定の方
一方で、書類作成や役所対応に抵抗がなく、時間的余裕もある方は、自力での手続きも十分可能です。
まとめ
飲食店開業には、夢や情熱だけでなく、現実的な準備や法的手続きが必要です。
最初の一歩を誤ると、開業日が遅れたり、営業停止になるリスクもあります。
行政書士に依頼することには「安心」「効率」「確実性」といった多くのメリットがありますが、その分コストもかかるため、ご自身の状況に応じて判断することが大切です。
少しでも不安がある場合は、無料相談を実施している行政書士も多いので、まずは一度相談してみることをおすすめ致します。
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