運送業許可の更新制スタートに向けて事業者が押さえるべき3つのこと

貨物運送事業の許可更新制

2025年(令和7年)自民党により運送業許可に「更新制」が導入される改正案がまとめられました。

これまで一度取得すれば半永久的に有効だった許可も、今後は一定期間ごとに更新手続きが必要となります。更新を忘れれば事業停止のリスクもあるため、事業者にとっては大きな制度変更です。

本記事では、運送業許可の更新制の概要と、事業者が押さえるべき3つのポイントを行政書士の視点から解説します。

目次

更新制導入の背景

これまでの運送業許可は、事業開始後に法令違反や休眠状態があっても、許可自体は失効しない仕組みでした。
しかし、近年は長期間営業実態のない事業者や、安全管理体制が不十分なまま営業を続ける事業者が問題視されてきました。

そこで国土交通省は、

  • 安全管理の継続確認
  • 実態のある事業者だけが許可を保持できる仕組み
  • 不正防止と運送品質の確保

を目的として、更新制を導入しました。
更新制が導入されることにより、一定期間ごとに、事業者へ行政のチェックが入ることにより、適正な事業者だけが事業を継続できるようになる仕組みが構築されることになります。

事業者が押さえるべき3つのこと

貨物運送事業における許可制の具体的な内容は2025年8月時点では発表されていません。

しかし、すでに更新制が導入されている貸切バス事業の事例を見ると、今後貨物運送事業の許可更新制が始まる前に、事業者が押さえておくべき注意点が見えてきます。

更新期限を絶対に忘れないこと

貸切バス事業の更新制では、許可の更新を期限以内に行わなかった場合には、救済措置なしに許可の自動失効となってしまいます。

貨物運送事業の更新制のおいても、許可の更新を期限内に行わなかった場合には、運送業許可が失効してしまうことが考えらえれます。

当然、行政からの事前通知があることが予想されますが、通知を見落としたりした場合には、取り返しがつかない事態になることになります。

貨物運送事業の許可更新制が正式に運用された場合には、情報の収集を正確に行い、更新期限を忘れないようにしなければなりません。

日常的な法令遵守と記録の保存

更新時には、過去数年間の運行記録・整備記録・事故報告などがチェックされる可能性があります。

書類不備や違反歴があると更新できない可能性があるため、日頃から書類を整備し、コンプライアンス体制を維持することが重要です。

財務状況の健全化

貸切バス事業の更新制では、「直近3事業年度すべての財務状況が債務超過でないこと」という規定があります。

具体的には、直近事業年度で債務超過で、かつ直近3事業年度の収支が連続して赤字の会社の許可更新は認めないという内容です。

貨物運送事業においても、これと全く同じ条件になるかどうかは分かりませんが、運送事業者の健全性の維持・向上を目的に導入される更新制ですので、同じような要件が課される可能性は十分にあります。

まとめ

更新制の導入は、運送業界にとって大きなターニングポイントです。

  • 期限管理
  • 法令遵守
  • 財務健全化

この3つを日常的に徹底していれば、更新手続きはスムーズに進みます。

許可更新に不安がある場合や、書類整備・財務確認を自社で行うのが難しい場合は、行政書士などの専門家に相談するのも有効です。制度開始前から準備を進めて、安心して事業を継続しましょう。

お気軽になんでもお問い合わせください

📞 072-370-3946
(受付時間 9:00~18:00)


メール・公式ラインでのお問い合わせは24時間受け付けております。

運行管理者や整備管理者に変更はありませんか?

人事異動や退職などにより、運行管理者や整備管理者に変更があった場合は、速やかに管轄の運輸支局への届出が必要です。

しかし実際には、「届出が必要なことを知らなかった」「うっかり忘れていた」といった理由で、変更届が提出されていないケースが少なくありません
このように届出を怠っていると、行政処分の対象となる可能性があります。

現在、一般貨物自動車運送事業についても、許可の更新制の導入が予定されており、事業者の法令遵守がより厳しく問われる時代になってきています
更新制度の本格導入を前に、いま一度、自社の管理体制に不備がないかを見直すことが重要です。

【届出の期限にご注意ください】
運行管理者に変更があった場合:1週間以内
整備管理者に変更があった場合:15日以内

変更届の提出はお任せください

当事務所では、運行管理者・整備管理者の変更届の作成および提出代行を承っております
届出書類の作成には、一定の知識と手間がかかるため、日常業務でお忙しい運送事業者様にとっては大きな負担となることもあります

「うっかり忘れていた」では済まされない法令遵守対応を、専門の行政書士がしっかりとサポートいたします。
どうぞお気軽にご相談ください。

電話お問い合わせ
公式ライン
目次