飲食店を開業する際には、多くの準備が必要です。
その中でも、法律や規制についての理解は非常に重要です。特に、飲食店の経営において「風俗営業法」に関連する部分は、予期せぬトラブルを避けるためにもしっかりと把握しておく必要があります。
「接待行為」をしけなれば風営法には引っかからないとの勘違いがありますが、接待行為以外にも飲食店において風営法の許可が必要となるケースがあります。
本記事では、飲食店を開く際に注意すべきポイントとして、「風俗営業法」との関連について詳しく解説します。
風俗営業法とは何か、飲食店にどのような影響があるのか、どのような点に注意して営業しなければならないのかを明確にしていきます。
風俗営業法とは
風俗営業法(正式名称:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)は、主に公共の秩序や風紀・青少年の育成への悪影響を防止することを目的としています。
風俗営業法 | 営業の種類 | 店舗の例 |
---|---|---|
1号営業 | 料理店・社交飲食店 | キャバクラ・ホストクラブ |
2号営業 | 低照度飲食店 | 喫茶店・Bar |
3号営業 | 区画飲食店 | 個室居酒屋・カップル喫茶 |
4号営業 | 遊技場営業 | マージャン店・パチンコ店 |
5号営業 | 遊技場営業 | ゲームセンター等 |
飲食店営業と風俗営業法は一見関係ないように思えますが、場合によっては、飲食店営業許可に加えて風俗営業許可を取得しなければならない場合があります。
具体的には、「客に接待行為をする」「照明を落とした店内」「個室を設ける」などに加えて、「カラオケをする」なども風営法の適用範囲となる可能性があります。
飲食店における風俗営業法の適用範囲
では、飲食店が風俗営業法に関連する場合はどのようなものなのでしょうか?
飲食店の営業内容によって、風俗営業法が適用されるかどうかが決まります。
接待行為を伴う場合
”接待”とは、風営法2条3項において、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法で客をもてなすこと」とされています。
具体的にいうと、「お酌をする」「一緒にカラオケを歌う」「飲食物を口許まで差し出して食べさせる」「特定の客と一緒に踊る」などの行為が該当します。
◆ お酌をする・・・キャバクラ・ホストクラブ
◆ 一緒にカラオケをする・・・カラオケ喫茶など
◆ 飲食物を口許まで差し出して食べさせる・・・メイド喫茶
◆ 特定の客と一緒に踊る・・・ラウンジやパブでの従業員とのダンス
照度を落とした店内にする
「店内を落ち着いた雰囲気にしたい」と照明を暗くしたコンセプトのBarやカフェを開業したい場合、客席の照度が10ルクス以下であると、風俗営業法の2号営業に当たるため、風俗営業許可を取得する必要があります。
飲食店には営業形態によって、お店の明るさ(照度)の基準が定められています。
飲食店施設 | 50ルクス超 |
---|---|
飲食店の客室 | 10ルクス超 |
深夜種類提供飲食店の客室 | 20ルクス超 |
区画席飲食店営業の客室 | 10ルクス超 |
低照度飲食店 | 5ルクス超 |
照度が10ルクスとは、「上映前の映画館と同じ程度の明るさ」をイメージされると良いでしょう。
Barや喫茶店には風俗営業法は関係ないと考える方も多いですが、落ち着いた雰囲気を出すために照明を暗くする場合、風俗営業許可を取得しなければなりません。
この風営法2号営業では、原則として営業時間は深夜0時までとなります。
2号営業許可で「接待行為」や「遊興行為」を行うことはできません。
個室を設ける
飲食店で個室も設ける場合、風営法の第3号営業に引っかかる可能性があります。
風営法3号営業(区画飲食店)とは、「喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食させる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが5平方メートル以下である客席を設けて営むもの」と定義されています。(参考:警視庁HP)
5m以下の個室を設ける場合には
さらに風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則では以下のように定められています。
- 客室の内部が営業所の外部から容易に見渡すことができない構造である
- 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けない
- 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない
- 営業所の照度が10ルクス以下とならない構造・設備にする
- 騒音・振動の数値が条例で定める数値に満たない構造・設備にする
Barや喫茶店で個室を設ける場合、飲食店営業許可だけでなく、風営法の3号営業に該当する可能性があることに注意しましょう。
風俗営業法に違反するとどうなる?

風営法の許可を得ずに営業を行なった場合、無許可営業として、「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」と非常に重い処罰を受ける可能性があります。
飲食店営業許可の取消し可能性もあります。
「風俗営業法」と聞くと、「性風俗」や「キャバクラ・ホストクラブ」などをイメージしてしまいがちですが、飲食店においても該当するケースがあることを知っておくことが重要です。
喫茶店やBarであっても、店内の照明の明るさや個室などにより、風俗営業法の対象となることに注意が必要です。
まとめ
飲食店を開業する際には、食品衛生法や消防法などの基本的な法令に加え、風俗営業法にも注意を払う必要があります。
特に、接待を伴う営業や深夜の酒類提供を行う場合だけでなく、店内の明るさや個室を設けるなどのケースでは、適切な許可申請が必要となります。
適法に営業するためには、事前に法的要件を確認し、必要な手続きを適切に行うことが不可欠です。
風俗営業法の規制を正しく理解することで、予期せぬトラブルを避け、スムーズな飲食店経営を行うことができます。
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