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遺留分とは?遺言書を残すときに気をつけたいこと

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この記事を読んで欲しい人

遺留分とはどういうものかを知りたい方

 

目次
  1. 遺留分とは
  2.                  
  3. 遺留分権利者
  4. 遺留分を侵害されたとき
  5.                
  6. 最後に

遺留分とは

被相続人は遺言によって財産を自由に処分することができます。『特定の相続人に多くの財産を残すこと』や『相続人以外の人に財産を譲ること』もできますし、そういった遺言も無効になることはありません。

しかし一方で、残された相続人の生活の保障や、被相続人との関係において、相続人には被相続人の遺産に対する期待があるのも事実です。

そこで民法では、一定範囲の相続人に一定の財産を取得する権利を認めています。これが遺留分制度です。

簡単に言うと、相続人が民法で定められた最低限取得できる相続分より少ない相続しかできなかった場合、多く遺贈された人や、贈与を受けた人に対して、遺留分に満たない分を請求できるという制度です。

遺留分権利者

遺留分の権利が認められているのは、「兄弟姉妹以外の相続人」であり、配偶者、直系卑属(子供など)、直系尊属(親など)です。

遺留分関係図
関係図

例えば、図のようにAさんが相続人ではないFさんに全ての財産を遺贈する遺言書を残した場合を考えてみます。

一見『このような遺言書は無効ではないか』と思われる方もいるかもしれませんが、公序良俗に反しない限りは有効な遺言書になります。

この例の関係図の場合は、相続人は長女のBさんと長男のCさんになり、BさんとCさんは、Fさんに対して、遺留分の侵害を請求する権利を有することになります。

代襲相続人にも遺留分権利は認められています。
相続欠格になった人や相続廃除になった人の代襲相続人にも遺留分の権利は認められますが、相続放棄した人には認められません。

Aさんが財産の全てを相続人ではないFさんに遺贈する遺言を残しました。

長女Bさんは相続を放棄し、長男のCさんは相続廃除されていたとします。
この場合のDさんEさんに遺留分の権利は認められるのでしょうか。

長女Bさんは相続放棄をしているため、息子のDさんには遺留分の権利はありません。一方、相続廃除されているCさんの息子Eさんには遺留分の権利は認められます。

遺留分を侵害されたとき

特定の人に多く財産を残すような遺言書や、特定の人に多額の贈与があった場合など、遺留分権利者の遺留分が侵害されている状況になれば、遺留分侵害請求を受遺者などに対して行うことができます。

遺留分権利者は、被相続人による遺贈・贈与などによって、遺留分に満たない取り分しか得られない場合は、受遺者・受贈者などに対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。

民法1046条

遺留分侵害請求権の行使は相手方に対する意思表示によって行えば良く、必ずしも裁判上の請求を行わなくても構いません。

最後に

人が自分の財産を自由に使うことは当然のことであるように、自分が亡くなったあと、自分の財産を自由に処分したいと思うことも当然のことです。

残された方のために、自分の想いを伝え、相続人の間で争いが起こらないように遺言書を残すことはとても大切なことです。

しかし、その遺言書が特定の相続人の遺留分を侵害するものであったら、要らぬ争いを起こし、遺恨を残してしまう結果になるかもしれません。

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