キッチンカーを始めるために活用できる補助金とは

キッチンカーで使える補助金

コロナ禍以降、密を避けた移動型のビジネスとして注目を集めた「キッチンカー」
飲食店を持つよりも初期費用が抑えられ、出店場所を選べる自由度の高さから、副業や独立開業を目指す方にも人気です。しかし、車両の購入や設備投資にはやはり一定の資金が必要になります。

そこで今回は、キッチンカー開業を目指す方が活用できる補助金について詳しく解説します。補助金をうまく活用すれば、開業資金の負担を大幅に軽減できる可能性がありますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

補助金と助成金の違いとは?

まず基本的な知識として、よく混同される「補助金」と「助成金」の違いについて整理しましょう。

補助金の主な管轄は、経済産業省や中小企業庁ですが、助成金の管轄は厚生労働省になります。

補助金は、行政が中小企業や個人事業主の販路開拓や業務効率化などの産業育成や生産性向上など、その制度の目的に沿っている事業計画などに対して交付されます。

一方、助成金は、国が事業者の労働環境改善や人材育成のために交付するものをいいます。

種類特徴審査返済
補助金国や自治体などが特定の目的で支援する資金。審査があり、採択制。あり(競争あり)不要
助成金雇用関係など一定の条件を満たせば受給できる資金。原則として不採択はない。ほぼなし不要

キッチンカー開業に関しては、どちらかというと「補助金」を活用するケースが多くなります。ただし、雇用を発生させる場合などは「助成金」の対象となることもあります。

キッチンカー開業に活用できる代表的な補助金

ここでは、キッチンカー開業を検討する方が利用できる、代表的な補助金制度をいくつか紹介します。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が販路開拓や業務効率化に取り組む費用の一部を補助する制度です。キッチンカーの導入も、販路開拓の一環として認められるケースがあります。

ただし、キッチンカービジネスにおいて大部分の出費の割合を占める「車両の購入費用」は基本的に補助金の対象にはならないと思っておくことが無難です。

ただ、内容・計器・備品・広告宣伝費などの経費は補助金対象となるものがあります。

    対象経費の例
  1. キッチンカーの車両改造費
  2. チラシ、ホームページ制作などの広告費
  3. 移動販売に必要な設備投資など

小規模事業者持続化補助金の申請には、商工会議所や商工会への事前相談が必要であり、事業計画書の作成が重要となります。

公式サイト : 商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金事務局

ものづくり補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は一般的には「ものづくり補助金」と呼ばれていることから、製造業のみが対象となる補助金と思われることがありますが、サービス業であっても補助金の対象となります。

    対象経費の例
  1. キッチンカーの車両改造費
  2. チラシ、ホームページ制作などの広告費
  3. 移動販売に必要な設備投資など

公式サイト: ものづくり補助金総合サイト

事業再構築補助金

事業再構築補助金とは、ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰・地域サプライチェーン維持・強靱化又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、企業の事業再構築を補助することを目的とした補助金です。

    対象経費の例
  1. 車両内に設置する冷蔵庫などの設備費
  2. チラシ、ホームページ制作などの広告費
  3. のぼり・立て看板

事業再構築補助金は認定経営革新等支援機関から事業計画書の確認を受けることが必要となります。

公式サイト : 中小企業等事業再構築促進事業

創業者向け補助金

多くの自治体が独自に実施している創業支援制度では、キッチンカーの設備購入費用や広告宣伝費などが補助対象となることがあります。

    補助金の例
  1. 東京都:創業助成事業
  2. 大阪府:新事業展開テイクオフ補助金
  3. 和泉市:和泉市創業等支援補助金

都道府県・市町村単位で補助金や融資制度を行なっています。

gBizIDアカウント

補助金の申請には「gBizIDアカウント」が必要になるものが多くあります。

gBizIDとは、法人・個人事業主向けの共通認証システムです。
”共通認証システム”と言われてもよくわかりませんが、一つのID・パスワードで複数の行政システムにログインできる「アカウント」のことです。

「gBizIDプライム」アカウントの取得には審査期間があり、通常は1週間から2週間程度の日にちを要することに注意し、余裕をもってアカウント取得するようにしましょう。

補助金を受けるために押さえておきたいポイント

補助金は申請すれば誰でももらえるわけではありません。
補助金には審査があり、公募要領をしっかりと把握しておく必要があります。

補助金によっては採択率が30%程度になるものもあります。

事業計画書の質を高める

補助金の審査では、「実現性のある事業計画」が重視されます。単なる夢物語ではなく、具体的な数値や根拠を示すことが重要です。

  • なぜキッチンカーなのか?
  • どのような地域・客層をターゲットにするのか?
  • 開業後の収支予測や販促戦略は?

公募要領を把握する

補助金の申請結果は審査によって採択・不採択が決定します。
審査には、「資格審査」と「書面審査」があります。

公募要領を把握しておかないと、「そもそも補助金対象事業者ではなかった」といったことになりかねません。
また、補助金対象事業者であっても、その補助金の趣旨に合致していない申請書類では審査に通ることもありません。

事前に公募要領を把握することは重要です。

スケジュール管理

補助金の活用には情報収集が欠かせません。
「どの補助金がいつ応募されているか」や「自社にあった補助金はどれなのか」という情報を事前に把握しておく必要があります。

まとめ

キッチンカー開業は、比較的低コストで始められるとはいえ、設備投資、広告費など多くの初期費用がかかります。だからこそ、国や自治体の補助金を賢く活用することが、成功への第一歩です。

補助金は時期や内容が随時変更されるため、最新情報のチェックが欠かせません
公募要領の公開から申請受付締切まで長い期間があるわけではないので、事前の情報収集が重要となります。

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