軽貨物運送業の「名義貸し」に注意!知らずに違法行為になるケースも

軽貨物運送業の「名義貸し」に注意

軽貨物運送業は、比較的少ない資金で個人事業として始められる人気の業種です。
しかし、開業を急ぐあまり、「黒ナンバーを借りて仕事を始めた」「他人名義の車を使っている」といったケースが見られます。

これらの行為は一見問題なさそうに見えても、「名義貸し」や「無届営業」などの違法行為にあたる可能性があります。

本記事では、軽貨物運送業における「名義貸し」の実態と、そのリスク、そして安全に開業するためのポイントを行政書士が解説します。

目次

名義貸しとは?

「名義貸し」とは、本来は自分で事業を行わない人が、他人に自分の名義を貸す行為をいいます。
軽貨物運送業では、主に次のようなケースが該当します。

名義貸しになる可能性があるケース
  • Aさんが自分の名義で黒ナンバー車両を登録し、Bさんにその車を貸して仕事をさせる
  • Bさんが事業届出をせず、Aさんの「貨物軽自動車運送事業の届出」名義を借りて営業している
  • 企業が自社名義で登録した車を、個人ドライバーに名義貸しの形で使わせている

一見すると「貸し借り」や「協力」に見えますが、実際には法令上の手続きに違反するおそれがあります。

なぜ名義貸しが問題なのか?

軽貨物運送業は、「貨物自動車運送事業法」に基づく届出制の事業です。
つまり、届出を行った本人だけが、その事業を行うことが認められています。

名義貸しは、貨物自動車運送事業法28条(名義利用の禁止)に抵触する行為です。
貨物自動車運送事業法では、一般貨物自動車運送事業者についての名義貸しについて規定しています。

貨物軽自動車運送事業は「届出制」ですが、届出をしていない者が名義を利用して運送業を行うことは、法律の趣旨に反します。

したがって、名義を貸して他人が実際の運送業務を行うと、次のような問題が生じると予想できます。

名義貸しによるリスク
  • 実際に運送している人(名義を借りた側)が「無届営業」となる
  • 名義を貸した側も行政処分の対象となる
  • 万が一事故が起きた場合、損害賠償や保険適用のトラブルが発生する可能性がある

安全に軽貨物運送業を始めるためには

軽貨物運送業を正しく始めるには、以下の手順を踏むことが大切です。

STEP
貨物軽自動車運送事業の届出書を提出(運輸支局)
STEP
黒ナンバー(営業用ナンバー)への変更(軽自動車検査協会)
STEP
個人事業主で事業を行う場合は、開業届・青色申告の提出(税務署)
STEP
任意保険・貨物保険などの加入

これらの手続きを正しく行えば、名義貸しに関わる心配はありません。
書類の作成や提出に不安がある場合は、行政書士に依頼することでスムーズに開業できます。

まとめ|スムーズな黒ナンバー取得は行政書士へご相談ください

軽貨物運送業における「名義貸し」は、知らずに関わってしまうケースであろうと、法的には明確な違法行為となる可能性があります。

  • 名義を借りて仕事をする
  • 名義を貸して他人に運送させる

このような行為は絶対に避けましょう。

貨物軽自動車運送事業は届出制ではあるものの、いろいろな条件があります。
例えば、車検証の「所有者」「使用者」が法人名義の車両で、個人名義での貨物軽自動車運送事業経営届を出しても受理してもらえません。

正しい届出と契約関係を整えることで、リスクを避け、安全かつ合法的に事業を運営することができます。
開業や手続きで不安がある場合は、行政書士に相談し、安心できるスタートを切ってください。

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